木星に謎の閃光が出現、日本人のアマチュア天文家が観測
先日、木星に謎の光が出現し、その様子がSNSにも投稿されて、海外メディアも報じた。
仙台市在住のアマチュア天文家が撮影
河北新報によれば、この木星の謎の光を撮影したのは、仙台市泉区のアマチュア天文家・清野和裕さん(73)だという。
この閃光が確認されたのは、日本時間の8月29日午前1時45分。木星の上空で、小さな光が一瞬だけ、まばゆく輝いたそうだ。
その動画はSNSにも投稿され、多くの人々の関心を集めることに。その動画がこちら。
きのうのTLで知った木星の閃光、撮影したデータを確認してみたら写っていました。
…声が出ました(^^;
日本時間2023年8月29日1:45、世界時28日16:45です。https://t.co/UYhnvAmA63https://t.co/Y7nCHtJq4k pic.twitter.com/g0FerdyoVg— MASA Planetary Log (@MASA_06R) August 29, 2023
小天体の直径は30~40mと推定
京都大白眉センターは、清野さんを含む全国のアマチュア天文家8人から、閃光撮影の報告を受けて分析したという。
そして9月4日、京都大白眉センターの有松亘特定助教(太陽系天文学)の分析により、この閃光が木星に小天体が衝突した際に起きたものと推測され、小天体の直径が30~40mと推定された。
有松特定助教によると、木星の強い重力に引き寄せられて、周辺を浮遊する隕石などの小天体が衝突し、閃光を放つことが時折あるという。
2010年以降で撮影記録が残る木星の閃光現象は8例あり、今回の9例目の閃光が最も強かったそうだ。
有松特定助教は「発生が予測できないため閃光の記録は難しく、(清野さんらの)観測データは貴重だ。詳細に分析し、衝突の頻度や小天体の構成物質の解明につなげたい」と話している。
木星には年に12~60回ほど飛来か
英メディアの「METRO」によれば、木星は太陽系最大の惑星であり、その巨大な引力のために、アステロイドベルト(小惑星帯)やカイパーベルトからの小天体などが、しばしば引き寄せられているという。
科学者たちは、木星には1年に12~60回、幅5~20メートルの天体(小惑星など)が衝突していると推定しているそうだ。
また100メートル以上の天体の場合、数年に一度木星に衝突する可能性があるが、これは地球への衝突率の約1万倍にあたるという。
さらに木星への衝突は、重力が物体をより加速させるため、明るい閃光を生み出すとも考えられている。
1994年、木星にシューメーカー・レヴィ第9彗星(Shoemaker-Levy 9:SL9)が衝突した時、インパクトは非常に大きく、木星の表面に暗い斑点がいくつもでき、それが何カ月も続いたそうだ。(了)
出典元:河北新報:木星の閃光、30~40mの小天体が衝突か これまでで最も強い光 京大・有松特定助教が分析(9/5)
出典元:METRO:Watch as mystery object smashes into Jupiter(9/5)
出典元:Space.com:Amateur astronomers spot new impact on Jupiter(8/31)