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140万年前の人類、石を意図的に球体に作り上げていた可能性

140万年前の人類、石を意図的に球体に作り上げていた可能性
Facebook/Siven World News

人類の祖先が、石を意図的に球体に仕上げていたとする研究結果が、発表された。

 

イスラエル北部で発掘された球体

 

この研究を主導したのは、イスラエルにあるエルサレム・ヘブライ大学の研究者たちだ。

 

彼らは、イスラエル北部にあるウベディヤ遺跡で発見された、140万年前の石灰岩の球体「スフェロイド(spheroids )」を、150個を調査したという。

 

研究者らは、石の形状を再構築するために3D分析を使用。その結果、この「スフェロイド」が「意図的に作られた可能性が高い」と判断したそうだ。

 

長い間、成り立ちについて議論

 

この球体は、テニスボールほどの大きさで、考古学者たちは長い間、これがどのようにして作られたのか、その正確な方法について議論してきたという。

 

そして古代の人類が、完璧な球体を作るために意図的に球体を削ったのか、それとも石を繰り返し叩き割った結果、偶然にできたものなのか、意見が分かれていたそうだ。

 

今回、「ロイヤル・ソサエティー・オープン・サイエンス」誌に発表された研究論文によれば、「球体が作られている間、石の表面は滑らかになることはなかったが、著しく球形に近づいた」という。

 

自然界にはない球体を求めた?

 

もっとも、この球体を作ったのが、人類のどの種だったのかは、明らかになっていない。

 

また研究論文は、自然界では川や流れで小石をより滑らかにすることはできるが、「真球状に近づくことはほとんどない」ため、「(人類が)プラトン的な球体の理想を実現しようとした」との見方を示している。

 

フランス国立自然史博物館の考古学者、ジュリア・カバナス氏(今回の研究には関与していない)は「このことはヒト科の動物が、自分たちがしていることをあらかじめ、精神的に認識していたことを意味している」と述べている。

 

またカバナス氏によれば、同じ技術は他の球体にも使え、現在のタンザニアにあるオルドバイ峡谷で発見された、200万年前にさかのぼる最古の球体を解明できる可能性もあるという。

 

ただしなぜ、人類がこのような球体を作ったのかも謎のまま。骨から骨髄を取り出したり、植物をすりつぶしたりする道具ではないか、または投石器、芸術的・象徴的な目的があったのではないか、といった様々な意見があるそうだ。(了)

 

出典元:The Guardian:Early human ancestors turned stones into spheres on purpose, study suggests(9/6)

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