カンヌ映画祭の歴史で初めてケニアの作品がエントリー、本国では上映禁止に

Twitter/Ministry of Sports And Heritage

先日、カンヌ映画祭で是枝監督の作品『万引き家族』がパルムドールを受賞したが、実は他にも注目された映画があるのをご存知だろうか。

レズビアンを扱った内容のため国内で上映禁止

その映画とは『Rafiki』。これはカンヌ映画祭の71年の歴史の中で、初めてケニアからエントリーされた作品だという。

『Rafiki』というのは、スワヒリ語で「友達」という意味。そしてこの映画は、ナイロビに暮らす2人の女性が、家族や政治的なプレッシャーと戦いながらも、お互いに愛を深めていく物語とされている。

しかしケニアのフィルム審議委員会は、この映画がレズビアンを扱った内容だったため、先週の木曜日に国内では上映禁止にすると発表。

ケニアで初めてカンヌに出品されるという偉業を成し遂げたにもかかわらず、「この映画は配給されるべきではなく、国のどんな場所でも見ることはできず、映像をコピーした人間も法律違反で罰せられる可能性がある」と付け加えた。

これに対し映画関係者は落胆し、また映画を支援する人々はネット上で委員会側を強く非難しているそうだ。

KENYAN MOVIE TO MAKE HISTORY IN FRANCE:
Kenyan movie 'Rafiki' by Kenyan Director @wanuri Kahiu makes history as the 1st ever Kenyan feature Film to be invited to launch in the Cannes Film Festival. This 2018 Cannes Film Festival is slated for 4/5/18 to 19/4/18 in Cannes, France. pic.twitter.com/Lp7t9FWJLl

— Ministry Of Sports And Heritage (@moscakenya) April 14, 2018

Lesbian romance #Rafiki's director Wanuri Kahiu, and stars Samantha Mugatsia and Sheila Munyiva received a standing ovation last night at #Cannes2018. Read our review of the film: https://t.co/UOoKmmydd7 pic.twitter.com/U6I83tDjKQ

— Variety (@Variety) May 10, 2018

監督がツイッターで意見を表明

ケニアのフィルム審議委員会は、上映禁止の理由について「その映画は同性愛をテーマとし、法律に反し、ケニアでレズビアンを促す明らかな意図を持っているため、規制されることになりました」と語っている。

一方、この映画を作り上げたWanuri Kahiu監督は、ツイッターで落胆を表明。さらに次のように述べている。

「私はケニアの大人たちが成熟し、この地元の作品を見るのに十分な分別を持っていると信じています。しかし彼らの権利は否定されてしまった」

More Kenyans (& token Nigerian) in Cannes celebrating #Rafiki! So great!!! #YesWeCannes #AfriCannes pic.twitter.com/KSDQji2xG6

— Wanuri (@wanuri) May 13, 2018