スペインで発見された古代の履き物、ヨーロッパ最古、約6000年前に作られたと判明
スペインの洞窟で以前、発見された履き物の分析が進められ、ヨーロッパで最古であることが判明した。
草で編まれた履き物
その履き物とは、約6000年前に草で編まれたもので、スペイン南西部のアンダルシア地方にあるムルシエラゴ洞窟(Cueva de los Murciélagos)で発見されたという。
履き物は、19世紀に鉱山労働者によって発見された古代の遺物の中の1つとされ、他にも籠や道具一式などが見つかっていたそうだ。
そして今回、研究者によって履き物の分析が進められ、ヨーロッパで最古のものであることが明らかとなった。
湿度が低く、保存状態が良好
洞窟の中は湿度が低く、涼しい風が吹いていたため、保存状態が非常に良かったという。
研究の共著者であるマリア・エレーロ・オタール氏も「これらの遺物は、南ヨーロッパにおける植物繊維の遺物としては、これまで知られている中で最も古く、保存状態も良いものです」と語っている。
研究者によれば、分析された履き物は、その構造にさまざまな種類の草が使われていたが、革や石灰などの他の素材も含まれていたという。
これらは新石器時代のもので、2008年にアルメニアの洞窟で発見された5500年前の革の靴よりも古かったそうだ。
鉱夫が採掘中に遺物を発見
研究者たちによれば、この洞窟に最初に立ち入ったのは1831年のことで、地主が肥料に使うコウモリの糞(グアノ)を集めていたという。
それから20年も経たないうちに、鉱夫たちがこの洞窟を利用するようになり、採掘中に回廊(ギャラリー)を発見。そこには部分的にミイラ化した遺体や籠、木製の道具、イノシシの歯、ユニークな金の冠などがあったそうだ。
今回、新たな年代測定技術を使い、洞窟で発見された76点の遺物を測定。その結果、遺物はこれまで考えられていたよりも約2000年古いことが判明し、中には9000年前のものもあったという。(了)
出典元:BBC:Europe’s oldest shoe found in Spanish bat cave(9/21)