米で発見された人類の足跡を再び分析、約2万1000年前のものだと判明
アメリカで発見された足跡の化石の分析が進められ、はるか以前からアメリカ大陸に人類が存在していた可能性が高まった。
ニューメキシコ州の国立公園で発見
その足跡の化石は以前、ニューメキシコ州にあるホワイトサンズ国立公園の、古代の湖底の端で発見されたという。
足跡の推定年代は2021年に「サイエンス」誌で初めて報告されたが、一部の研究者は測定に使われた水生植物の種子が、古代の炭素を吸収した可能性があると主張。
放射性炭素年代測定では、数千年異なる可能性があると指摘されてきたそうだ。
このため再び分析が行われ、その結果が10月5日に再び「サイエンス」誌に発表されて、足跡の化石が2万1000年から2万3000年前のものであると結論付けられた。
従来の説より前に米大陸に人類
実はこれまで、人類がアメリカ大陸に到達したのは、海面上昇によってロシアとアラスカを結ぶベーリング陸橋が、海で覆われる数千年前、おそらく約1万5000年前(1万6000年前から1万3000年前)だったと考えられてきた。
しかしこの足跡の化石が発見されたことで、従来の説よりも古くから、アメリカ大陸に人類がいた可能性が高まった。
今回の新しい研究では、足跡のある同じ堆積層から採取された、約7万5000粒の純粋な花粉を使用。さらに研究者らは、古代の石英の結晶格子に蓄積された損傷を調査し、年代推定を行ったという
ただ、アメリカ地質調査所の研究地質学者で、今回の新しい論文の共著者であるキャスリーン・スプリンガー氏によれば、花粉の年代測定は骨の折れる作業で、分析には十分なサンプル数が必要だったという。
ホワイトサンズには、人間以外にも、大型のネコ科動物やダイアウルフの足跡も見つかっているという。(了)
出典元:ABC News:Evidence points to New Mexico footprints being the oldest sign of humans in Americas(10/6)