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土星のリングが、予想よりも早く失われつつある:NASA

土星のリングが、予想よりも早く失われつつある:NASA
YouTube/NASA Goddard

※この記事は、2018年のNASAの研究を参考にしています。

 

土星のリング(環)が急速に失われつつあるのを、ご存じだろうか?

 

非常に速い速度で失われつつある

 

そもそも土星の周りには、氷や岩の欠片が浮かび、それが「環」となって土星の自転と同じ方向に向かって、周っているという。

 

しかしそれらは、磁場の影響下で、重力によって土星に引き込まれ、氷の粒子(塵)の雨となって降り注いでいるそうだ。

 

そして数十年前に行われた探査機「ボイジャー1号」と「2号」の観測から、非常に速い速度で土星の「環」が失われつつあることが確認されている。下は、NASAが公開した動画になる。

 

「環」の寿命は1億年未満

 

実は、土星が「環」を持って最初から形成されたのか、それとも後年に土星が「環」を獲得したのかについては、長い間議論になってきたという。

 

しかし研究を行ったNASAのゴダード宇宙飛行センターのジェームズ・オドナヒュー氏は、後者、つまり土星が「環」を獲得したとの立場をとっている。

 

オドナヒュー氏によれば、「環」の雨は、オリンピックサイズのプールを満杯にするほどの量を、30分で「環」から排出すると推定しているという。その上で、オドナヒュー氏は次のように述べている。

 

「このことだけからしても、環系全体は3億年以内に消滅することになります。しかしこの事実に、カッシーニ探査機が測定した『環』の物質が土星の赤道に落ちていることを加えると、環の寿命は1億年未満です。土星の年齢が40億年以上であることに比べれば、これは比較的短い期間です」

 

「環」の雨が存在するとの考えは、土星の上層大気(電離層)の特異な変化、土星の環の密度変化、そして土星を取り囲む3つの狭い暗い帯の存在など、ボイジャーの観察から得られたそうだ。オドナヒュー氏は、次のように述べている。

 

「もし環が一時的なものであれば、おそらく私たちは木星、天王星、海王星の巨大な環系を見るのを見逃しただけかもしれません。これらの環系には今日は細い環状体しかありません」(了)

 

出典元:NASA:NASA Research Reveals Saturn is Losing Its Rings at “Worst-Case-Scenario” Rate(2018/12/17)

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