ディズニー風のお城ひしめく巨大ゴーストタウンがトルコにある
トルコ・イスタンブールの東200kmほどの所に、Burj Al Babasと呼ばれる別荘地がある。そこにはディズニー風の小さなお城が、見渡す限り並んでいる。だが人は住んでいない。ここは、世界で最も大きなゴーストタウンの一つなのだそう。
お金持ち向けの別荘地
奇異なお城の町を作ったのは、トルコの大手不動産会社。地中海性の気候が穏やかで景観の美しいトルコは、ホリデーリゾートとして中東のお金持ちに人気だというが、この不動産会社はそこに目をつけた。
そして開発したのが高級別荘地Burj Al Babas。一軒一軒が全部ミニチュアのお城。各階に床下暖房やジャクジーが備わっており、オプションとして屋内プール付きもあるという贅沢さ。ショッピングセンターや、おとぎの国風の公園、池なども計画されていたそうだ。
一戸の価格は、日本円にして4400万円から5500万円程度。中東のお金持ちにとってはどうということのない値段、のはずだった。不動産会社は、当然、完売を見込んでいただろう。
開発が中止されゴーストタウン化
不動産会社が見込んでいなかったのは、原油価格の急落。そのせいで、中東の客の財布の紐が固くなったのだろう、結局のところ、別荘は半数程度しか売れなかった。
また、その後のトルコリラの暴落で、トルコは経済危機に突入。不動産会社は借入金を返済できず、資金繰りがつかなくなって開発は中止された。
しかし、これまで巨額の資金を注ぎ込んで来た不動産会社は、まだ諦めていないようだ。その証拠に、未だに破産手続きを開始していない、と海外メディアは報じている。頓挫した開発を再開し、お城の町を実現させたいのだろう。
トルコ政府もこの開発計画には、支援の態度を見せているとのこと。しかし、新型コロナウイルスの影響もあり、トルコ経済は低迷を続けていると言っていい。開発再開はまだ遠そうだ。
海外メディアによれば、皮肉なことに、この地はゴーストタウンとして、ちょっとした人気観光スポットになっているという。(了)
出典元:Odditycentral:Burj Al Babas – Turkey’s Famous Ghost Town of Fairytale Castles(7/5)
出典元:Stuff:Hundreds of creepy Disney-style castles sit abandoned in Turkish ghost town(6/22)