「スペイン語を話す店員は通報するぞ」脅迫をしたNYの弁護士に非難殺到


アメリカのニューヨークで、白人の弁護士が、あるレストランに対して差別的な発言をし、脅迫したとして非難を浴びている。

 

「移民捜査局へ連絡するぞ」と脅迫

 

その弁護士の男性とは、Aaron Schlossberg氏(42)。彼は5月15日に、マンハッタンの「Fresh Kitchen」というレストランで従業員に対してクレームをつけたという。

 

その理由は、店のスタッフが客である自分に対して、スペイン語で話しかけてきたからというもの。

 

Facebook/Edward Suazo

 

実際に当時、撮影された動画の中でもSchlossberg氏は「あなたたちのスタッフは、英語で話しかけるべきところを、顧客に対してスペイン語で話しかけている!」と怒りを露わにしている。

 

さらにSchlossberg氏は、移民税関捜査局(ICE)へ電話をするぞと脅迫。「私が思うに、彼らは正式な入国の許可を得ていない。だからこれからICEへかけるつもりだ、彼らを1人ずつ私の国から追い出すために」と語ったという。

 

この映像はその後、目撃者によってフェイスブックに投稿され、一気に拡散。Schlossberg氏の差別的な発言に対して、激しい非難の声が寄せられたそうだ。

 

 

マスコミのリポーターも殺到

 

またこの映像は、やがて大手メディアにも取り上げられる。そして2日後の17日には、会社へ向かうSchlossberg氏にマスコミのリポーターが殺到。執拗に追い回し、コメントを求め続けた。

 

これに対しSchlossberg氏は傘で顔を隠し、リポーターの質問に答えるのを拒否。代わりに警察へ連絡したそうだ。

 

Schlossberg氏は携帯で警察に対し「お願いです、助けを寄越してください。彼ら(リポーター)は真実ではないことを主張しています。そして私をつかみ、歩かせないようにしているんです」と述べていたという。

 

 

さらにネットでは彼の弁護士資格を停止させるよう求める動きもあり、Schlossberg氏のビジネスページにも非難のメッセージが殺到しているそうだ。

 

ニューヨーク市長なども暗に批判

 

無論、彼を非難しているのは、一般市民だけではない。Schlossberg氏が通報しようとした移民税関捜査局(ICE)でさえも、彼が店を脅迫したことを批判。

 

取材に対しても「ICEの受付窓口の利用は、犯罪が疑われる行動に対する、合法的な報告を目的としたものに限ります。相手を怖がらせたり、嫌がらせをしたりするための道具として使われるべきではありません」と語っている。

 

またニューヨーク市のBill de Blasio市長も、ツイッターで次のように述べている。

 

「ニューヨーク市の多様性が私たちの力なのです。それがこの町を素晴らしいものにしているのです。この町を自分の家と呼ぶ860万人が、200以上の言語で話しています。彼らは全員、ニューヨーカーです。そして彼らは全員、ここでは歓迎されているのです」

 

 

ネット・ユーザーやマスコミ、自治体から強烈な反発を招いた今回の出来事は、差別を跳ね返そうとするニューヨークという社会の強さを物語っているのかもしれない。(了)

 

 

出典元:BBC:New York man threatens to report Spanish-speaking staff to authorities(5/18)

出典元:The New York Times:Man Threatens Spanish-Speaking Workers: ‘My Next Call Will Be to ICE’(5/16)