「水の都」と呼ばれるベネチアに異変?水位が異常に下がる現象が発生する
イタリアの北東部にあるベネチア(英語名:ベニス)。「水の都」と呼ばれ、街の中にいくつもの小さな運河が通っており、人々は水とともに暮らしてきた。
しかしそんなベネチアで、極端に水位が低下する現象が起きたとして話題になっている。
底に溜まった泥もあわらに
英紙DailyMailによれば、この原因は歴史的にも珍しい潮位の低下だとし、2年連続でこのような現象が起きているという。
実際に、2015年も通常の潮位より28インチ(約71cm)も下回ったとされている。
Freya Middletonさんが昨年12月24日ごろに撮影したと思われる写真には、水位が下がり、ゴンドラと呼ばれる手漕ぎボートが潮の引いた場所に残されている姿が映っている。
また今回の様子はREUTERSやAP、他のメディアでも取り上げられ、底に溜まった泥があらわになった写真も紹介された。
年に数回、潮位が高まる現象も
しかし潮位が大幅に低下する一方、この街では最近、年に数回潮位が高まり、多くの浸水被害も報告されているそうだ。
地元では潮位が高くなるこの現象を「acqua alta(高水位あるいは満潮)」と呼んでいるが、そもそもベネチアは毎年1mmから2mmも地盤が沈下していると言われており、これが起きると市内にある古い家の地下室や1階部分は水に浸ってしまうという。
観光業は好調だが人口は減少
災害がある一方で観光業は好調とされ、近年多くの旅行客がこの地を訪れるようになっているらしい。
しかし車のない街での不便な輸送手段や観光ブームによる物価の高騰、さらに打ち付ける波による建物の侵食などで住めなくなり、ベニスの人口は低下。
実際1951年以来の統計では、人口は17万5000人から5万5000人となり、今でもこの減少傾向が続いているという。
今回の潮位の低下では、ボートなどで観光客を案内する仕事にも影響が出たと言われている。このような気候の変動で、人々の生活が脅かされることのないよう祈りたい。
出展元:DailyMail:The water’s all gone-dola! Unusually low tide exposes the unseen side of Venice’s canal network(2016/12/31)
出展元:THE Sun:O MUDDY MIO Venice’s famous gondolas left sinking into sludge after historic low tide empties Italian city’s canals of water(2016/12/30)