檻の中で怯えるトラ…卒業パーティーで動物を見世物に使った高校に非難殺到
アメリカの高校で行われたプロム(卒業パーティー)で、檻に入れられたトラなどをアトラクションに使ったとして学校側が非難を浴びている。
会場にトラやキツネザルなどを運び入れる
その学校とはフロリダ州のマイアミにあるChristopher Columbus高校。
学校側は5月11日に、地元のホテルで生徒たちの卒業パーティーを開催。その際、檻に入れられたトラを会場に運び入れたという。
またトラ以外にも1匹のキツネザルや2羽のコンゴウインコ、1匹のアフリカ・フェネック(キツネ)などを登場させ、生徒たちに触らせたりしていたそうだ。
しかし特にトラは明らかに会場の雰囲気に怯えており、その様子を見た人々が動物を残酷に扱っているとして学校を非難した。
兄弟がこの学校に通っているMari-Cris Castellanosさんは、その時の動画をフェイスブックに投稿。さらに「この哀れなトラは、出席している無関心な若者のためにエキゾチックな余興として使われた」と批判している。
トラはリラックスして横たわっていた?
これに対し学校側は、トラを登場させるというアイディアはホテル側も承認しており、現場には2人の警察官も待機していたと説明。
またトラなどはフロリダ州の「魚類・野生生物保護委員会」によって許可が与えられた施設から提供されており、パーティーの間、パフォーマンスをさせられたわけでもないと主張している。
さらに常にトラのそばにはトレーナーが付き添っており、多くの時間、トラはリラックスした状態で横たわっていた、と述べたという。確かに3つ目の動画には、横たわったトラの姿が映っている。
明らかにストレスを抱えた状態
しかしマイアミ動物園の職員は、トラが明らかにストレスを抱えている徴候を示していると主張。次のように語っている。
「トラは明らかに、この状況から抜け出そうとする方法を探しています。この行動を解釈するのは、難しいことではありません。トラは人々や携帯電話、ライトやジャグラーの火に囲まれています。私は本当に、人々(学校側)が何を考えていたのか分かりません」
また動物保護団体「PETA」(動物の倫理的扱いを求める人々の会)の職員も「野生動物を卒業パーティーのデコレーションとして扱うべきではない」と学校側を非難。さらに次のように語っている。
「小さな檻の中にトラを入れて見せることや、学生らにキツネザルを扱わせることは、動物にとって残酷なことですし、学生にとっても危険です。また生き物が人間の楽しみに使われる小道具だ、という誤ったメッセージを送ることにもなります」
その後、この学校の校長は謝罪をしており、今後はもう一度方針や規則などを見直す予定だという。(了)
出典元:NYPost:Wild tiger makes ‘shameful’ appearance at high school prom(5/14)
出典元:Miami Herald:The senior prom was jungle-themed, then a real wild tiger showed up(5/14)