隕石ではない?UFO?宇宙ゴミ?不思議な物体を巡り専門家の意見も分かれる
オーストラリアのタスマニア州上空で、隕石ではない不思議な物体が多くの人に撮影され、さまざまな憶測が流れている。
●ゆっくりとした動きの不思議な物体
特にこの物体を鮮明に捉えたのは、Sorellという街に住むLee-Anne Petersさん。彼女は2月28日の朝、これを撮影した後、自らのフェイスブックに投稿。
するとこの物体が何なのかを巡り、さまざまな憶測が飛び交い話題になったという。
Petersさんは豪メディアABCの取材に対し「それは非常にゆっくりとした動きでした。以前見たジェット機のようではありませんでした。私は双眼鏡を取り出して、最初はそれが隕石に違いないと思ったんです」とコメント。
さらに「私はそれが宇宙空間から燃えながら落下してきたものだと思っていました。でも今では日の出の光によって航跡が明るく照らされた飛行機だと確信しています」と語っている。
また政府の機関で航空業務に携わっているAirservices Australiaも「これはオーストラリアの空域を飛行している航空機に過ぎない」と断定した。
しかしこれに対し、多くのフェイスブックユーザーが反発。飛行機には見えないとして、UFO説を唱える人まで登場したそうだ。
●隕石説を否定、宇宙ゴミ説が浮上
しかもこの物体に関しては専門家の意見も分かれているという。
実際にUniversity of TasmaniaのJohn Dickey氏は、この不思議な物体が大気圏に再突入した「宇宙ゴミ」の一部の可能性があると主張。
ABCの取材に対しても「それらは流星のように見られがちですが、それは間違いなく隕石ではありません。またそれを航空機からの飛行機雲と言うつもりもありません」と答えている。
●航空機の可能性が高いとする専門家も
またLauncestonプラネタリウムの天文学者であるChris Arkle氏も隕石説を否定。と同時に「宇宙ゴミ」説にも同意していない。
彼はその根拠として、もし物体が燃えている隕石ならば、もっとより早く飛行するはずで、このように長い時間目に見える状態にはならないと主張。
その上で、物体は高高度で飛行する航空機の可能性があるとして、次のように述べている。
「恐らくニュージーランドを行き来する国際線のフライトが、飛行経路の中間地点としてHobartという街を選んでいるのでしょう。物体が見えている時間の長さと、速度の両方がこの仮説を裏付けています」
実際にあるフェイスブックユーザーも、この現象が起きた頃、その空域にエミレーツ航空のエアバスA380がAucklandへ向けて飛行する予定だったことを突き止めているという。
果たしてこの物体の正体は何なのか。まだ飛行機説では納得していないフェイスブックユーザーも多いかもしれない。(了)
出展元:ABC:‘UFO’ sighting over Tasmania sparks intelligent alien life theories on Facebook(2/28)