16歳の少女が考案した「ヒジャブ姿」の絵文字が採用決定、今年後半に登場
16歳の少女が「ヒジャブ」を身につけた女性の絵文字を考え出し、それが採用されたとして話題となっている。
少女の絵文字が今年の後半にデビュー
その絵文字を考え出したのはサウジアラビア出身で、現在はオーストリアのウィーンに住む、Rayouf Alhumedhiさん。
彼女は昨年、新しい絵文字の開発などを行っている非営利団体「Unicode Consortium」に、自分が考えだしたヒジャブをかぶった女性の絵文字を提案したという。
そして検討が重ねられた結果、今週の月曜日の「世界絵文字デー」に合わせ、新しいコレクションの1つとして、Alhumedhiさんの絵文字をアップルが採用することを認め、今年の後半から利用できるようになると発表したそうだ。
AlhumedhiさんはCNNの取材に対し次のように語っている。
「私は絵文字がどんな風になったのかを見て、本当に幸せです。私はさまざまなアイディア、色やスタイルを見ました。でも最終的にそれがどんな風になるのか分からなかったんです。私はただワクワクしています。なぜならあらゆる作品、あらゆる作業の後に、ついに世に出るのですから」
自分を表す絵文字がないことに気づく
Alhumedhiさんはサウジアラビアからドイツの首都ベルリンに移り住み、そこで5年間過ごすが、「ヒジャブ」をかぶった女性の絵文字のアイディアは、当時住んでいた寝室で思いついたという。
その頃、Alhumedhiさんは友人と「WhatsApp」でチャットグループを作っていたが、自分を表す絵文字がないことに気づいたそうだ。
同時に世界中でヒジャブをかぶっている数百万人の女性たちを表す絵文字がないという事実に、彼女は困惑させられたと語っている。
そこで彼女はノートパソコンを使って、自分が欲しいと思っている絵文字を下書きして、「Unicode Consortium」へ送り提案してみることに。
すると彼女に対する支援が集まり、「Unicode Consortium」の小委員会メンバーは、AlhumedhiさんにAphee Messerさんを紹介。その後、一緒に絵文字のデザインを作り上げていったという。
さらにRedditの共同設立者であるAlexis Ohanian氏もネット上に、ディスカッションの場を提供。そこでAlhumedhiさんは自分のアイディアを発表し、さまざまな意見を取り入れたそうだ。
「女性を抑圧する象徴」との批判も
しかし「ヒジャブ」をかぶった絵文字に関しては、好意的な意見ばかりではなかったとか。
実際に「この絵文字は必要ない」や「これは女性を抑圧する父権的な構成要件の一部だ」という厳しい意見もあったという。
さらにアップルのCEO、ティム・クック氏のツイートに対しても「ヒジャブは抑圧のシンボルだ。絵文字としてこれを含めることによって、あなたたちは女性を抑圧することに対し、支援を表明することになる」という批判も寄せられたそうだ。
しかし同時に、この絵文字を支援する多くの声も寄せられたと言われている。
Alhumedhiさんは取材に対し次のように語っている。
「何人かの人々はこれを悪用しようとするでしょう。そしてステレオタイプ的な見方を永続させるために、人々を傷つけるような方法で絵文字を使うかもしれません。しかし全体的には、ムスリム社会は絵文字からメリットを得られるでしょう。それはただの絵文字です。大変革をもたらすものではありません。しかしそれは人々を幸せにする、私はそう願っています」
他の国の人々が使っているように、自分の絵文字が欲しい、満足できる絵文字を使いたい。そう願う気持ちは自然なものと言えるのかもしれない。(了)
出典元:CNN:Teen behind new hijab emoji: ‘I just wanted an emoji of me’(7/18)