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NASAのボイジャー探査機に搭載されたゴールデン・レコード、復刻盤が発売へ

NASAのボイジャー探査機に搭載されたゴールデン・レコード、復刻盤が発売へ
NASA/JPL-Caltech

ボイジャー探査機に搭載された“ゴールデン・レコード”の復刻盤が一般向けに発売されることになったとして、話題を呼んでいる。

 

一般向けのゴールデン・レコードは既に発売中

 

“ゴールデン・レコード”とは、1977年にNASAによって打ち上げられたボイジャー探査機に搭載されたレコード。

 

NASAは40年以上にもわたり、このレコードの複製を公にしようとはしてこなかったが、今回それがOzma Recordsというレコード会社により、一般向けに発売されることとなった。

 

同社は既にプロジェクトの支援者に向け、1万枚ほどの初盤を発送したという。

 

また3枚組のLPボックスセットは98ドル、日本円にして約1万600円で現在一般向けに発売中であるという。

 

Ozma Recordsのホームページによると、一般向けのリマスター版は2月中旬発送予定とのことだ。

 

Ozma Records

 

復刻盤の制作には高いハードルも

 

この計画を発案したのは、科学者でありテクノロジー・ジャーナリストのDavid Pescovitz氏と、音楽業界のベテランであり、Ozma Recordsの共同創設者であるTimothy Daly氏。

 

ここにグラフィック・デザイナーでキャンペーンを率いてきたLawrence Azerrad氏が加わり、2016年、ゴールデン・レコードの録音を見つけて複製し、可能な限りオリジナルの録音に近い状態のものをリリースさせるという壮大なプロジェクトが開始された。

 

資金獲得にあたって利用したKickstarterでは、当初目標金額を20万ドル(約2100万円)と設定するも、結果的には目標金額を大幅に上回る130万ドル(約1億4100万円)の確保に成功。

 

これによりプロジェクトはついに本格始動することとなる。

 

しかし、ゴールデン・レコードの復刻盤を制作するにあたっては高いハードルが存在した。

 

レコードのオリジナルの録音はNASAも有しておらず、他のレコード会社に手渡されてしまっていたという。

 

オリジナルのレコードの制作者やマスターテープを探し、複製を制作するといった一連の作業は簡単なものではなく、1年以上もの月日がかかったという。

 

これについて、オリジナルのゴールデン・レコードの制作にあたった人物の一人であるTimothy Ferrisは、The New Yorkerに投稿したエッセイにおいて、こう記している。

 

「PescovitzとDalyは、レコードに楽曲が使用されているアーティストにわざわざ連絡を取り、どれほどの著作権料があるのかといったことを送った。このようなことは、オリジナルのプロジェクトの際には時間が割かれず、行われなかったことだ」

 

ゴールデン・レコードとは?

 

ボイジャー探査機は時速3万5000マイル(5万6000キロ以上)を超える速度で進むため、太陽系を離れて銀河を永遠に彷徨うことになる。

 

そのためNASAはいつの日か知能の高い宇宙人により探査機が発見されるかもしれない、というかすかな望みにかけ、どのように再生するかといった指示をも添えた上で、ボイジャー探査機にゴールデン・レコードを搭載した。

 

NASA/JPL-Caltech

 

レコードは画像やメッセージ、音楽などを収録しており、地球外生命体に向け、地球とはどんなところであるのか伝えるためのものであったという。

 

無人探査機等の研究開発を行うNASAの機関、ジェット推進研究所はこのゴールデン・レコードについて、「NASAのため、レコードの内容はCarl Saganを委員長とする委員会によって選ばれた」とホームページ上で記している。

 

さらにその中身については、「Saganと彼のアシスタントは115枚にも及ぶ画像や、波、風、雷、鳥、くじら、さらにはその他の動物による音も含めた様々な自然界の音を収集した。この(レコードの)ため、彼らは異なる文化と時代の音楽や、55カ国語によって話された挨拶の言葉、カーター大統領と国際連合事務総長ヴァルトハイムからのメッセージをも収集した」との詳細も記している。

 

そのようなゴールデン・レコードの復刻盤である商品の詳細について、Ozma Recordsはこうも記す。

 

「芸術品、そしてデザインとして(レコードは)コミュニケーションや文脈、メディアの力における高い見識を表現している。科学分野の領域では、我々は何者であるのかといったこと、さらには宇宙における我々の地について根本的な疑問を投げかける。これら3つの見方が交差する地点において、ボイジャー探査機のレコードは、科学の潜在力と、好奇心と驚くべき物事への人間の感覚に火をつける芸術の証である」

 

40年もの月日を経て、人々の手に渡るゴールデン・レコード。なんとも壮大でロマンのある話だ。(了)

Ozma Records

 

出典元:Business Insider:A record label is about to start shipping vinyl copies of NASA’s famous golden records(2/4)

出典元:The Atlantic:Forty Years Later, the Golden Record Goes Vinyl(2017/8/25)

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