ウクライナ、軍事支援の減少により、作戦の縮小を余儀なくされる
ロシア軍と戦っているウクライナ軍は、軍事支援の減少により、窮地に立たされているという。
「戦術の変更を余儀なくされている」
ウクライナ軍のオレクサンドル・タルナフスキー司令官は、「前線全体」で弾薬不足に直面しており、ウクライナ軍に「大きな問題」を引き起こしていると明らかにした。
タルナフスキー司令官はロイター通信に対し、「この国には砲弾、特にソ連時代の兵器が不足している」とし、次のように述べた。
「私たちのニーズを考えると、私たちが持っている(砲弾の)量は十分ではありません。そのため私たちは、それを分配し直しています。自分たちで設定した任務を再び計画し直し、それをより縮小しています」
またタルナフスキー司令官は、「外国からの軍事援助の減少はすでに戦場に影響を与えており、戦術の変更を余儀なくされている」と述べた。
米やEUでも支援策が阻止される
アメリカ議会の共和党は今月初め、ウクライナに対する600億ドル(8.6兆円)の追加支援策の予算手続きを阻止したという。
また先週、ハンガリーもEUの500億ユーロ(約7.7兆円)に及ぶ、ウクライナへの金融支援協定に拒否権を発動し、支援継続が行き詰った。しかしEUの指導者は、「何があっても次回のEU首脳会議(来年3月)までに解決策を見つける」と決意を覗かせた。
ただEUは2024年3月までに100万発の砲弾をウクライナ送ることを約束していたが、これまで48万発しか送られておらず、また準備中のままとなっている。
一方、アメリカはウクライナに200万発以上の155mm砲弾を提供。しかし、自国の備蓄が枯渇しており、昨年夏にクラスター弾の送付を決定した。
ウクライナはすでに、西側のパートナーが生産できるよりも早く弾薬を使用しており、エストニア国防省の報告書によると、ロシアに対する優位性を維持するには、月に最低20万発の砲弾が必要だという。
また同報告書は、「この比率を維持すると、2024年までに欧州とアメリカの備蓄が空になり、外国からの大量の弾薬購入が必要になる」と指摘している。(了)
出典元:BBC:Ukraine war: Kyiv forced to cut military operations as foreign aid dries up(12/18)