イラン、パキスタンにあるスンニ派の拠点をミサイル攻撃
イランが、パキスタンにあるイスラム教スンニ派の過激派の拠点をミサイルなどで攻撃した。
「ジャイシュ・アル・アドル」の拠点を攻撃
イラン国営「IRNA通信」と国営テレビによれば、革命防衛隊が1月16日、パキスタン国内にいるイスラム教スンニ派の分離独立派組織「ジャイシュ・アル・アドル」を標的として、ミサイルと無人機を使った攻撃を行ったという。
今回の攻撃は、イランとの国境付近にある、パキスタン西部のバロチスターン州にある拠点に対して、行われたそうだ。
パキスタン外務省は、この攻撃に対して強い言葉で非難。「パキスタンは、イランによるいわれのない領空侵犯を強く非難し、その結果、罪のない子供2人が死亡し、少女3人が負傷した」と述べた。
また声明で「パキスタンの主権の侵害は全く容認できず、深刻な結果を招く可能性がある」とも述べている。
「ジャイシュ・アル・アドル」側も、攻撃型ドローン6機と数多くのロケット弾による攻撃で、家屋2棟が破壊されたと主張。家屋内には同組織に所属する、戦闘員の妻子が暮らしていたという。
パキスタンの国境を越えて活動
「ジャイシュ・アル・アドル(正義の軍隊)」は、2012 年に設立されたスンニ派の過激派組織で、主にパキスタンの国境を越えて活動しているという。
この組織は2019年にも、イランの精鋭部隊である革命防衛隊を狙った自爆テロを起こし、隊員27名を死亡させている。
このためイラン軍は国境地帯で、この武装勢力と戦い続けており、またパキスタン政府にもこの過激派組織の掃討を要請してきたそうだ
そして今回、ミサイルとドローンによる攻撃に踏み切ったのだが、これはイランにとっても前例のないことだとされている。
イスラム教シーア派が支配するイランでは先日も、スンニ派過激派組織「ISIS(イスラム国)」による2件の自爆テロで90人以上が亡くなっている。(了)
出典元:The Guardian:Iran launches airstrikes on ‘Sunni militant bases’ in Pakistan(1/16)