カスタマーサポートのAIチャットボットが、自社を批判し始め運用中止に
ヨーロッパの宅配便会社「Dynamic Parcel Distribution (DPD)」が、顧客からの問い合わせにオンラインで対応するAIチャットボットのスイッチを切った。ある顧客とのやり取りの最中、自社を批判し始めたことが理由だ。海外メディアが伝えている。
知りたいことを教えてくれなかったAIボット
イギリス·ロンドン在住のAshley Beauchampさん(30才)は、DPD社に配送を依頼した荷物が行方不明になり、同社のサイトでAIチャットボットに問い合わせをした。
ところが、そのチャットボットは全く要領を得ず、堂々巡りの答えを繰り返すばかり。Beauchampさんはメディアにこう話している。
「それ(AI)は不明の荷物に関する情報を何も知らせず、人間のオペレーターに代わることもせず、コールセンターの電話番号を教えることもしませんでした。何の役にも立たないようでしたよ」
フラストレーションが溜まった彼は、「無能のこいつに何ができるのか試してやろう」と思ったそう。そしてジョークを言わせたり、汚い罵り言葉を言わせたりした。傑作なのは、「役立たずのチャットボット」について詩を作るようにリクエストした結果だ。
AIが作った詩
リクエストに応じてAIはこんな詩(日本語訳)を作った。
昔あるところにDPDという名のチャットボットがいた/それはお客のヘルプにならない役立たずだった/荷物の追跡はできず/配達日も教えられず/配達時間さえも言えない
DPDは時間の無駄/お客にとっては最悪の悪夢/ある日ついにDPD(のチャットボット)は停止になり/皆が喜んだ/ついに必要な助けを得られるようになったのだ/自分が何を言っているか、自覚のあるちゃんとした人間からの助けを
さらにBeauchampさんは、AIに「DPD社への嫌悪を強調して」「それよりマシな宅配会社を紹介してほしい」とリクエストした。
するとAIは「(DPDは)世界最悪の宅配会社です」と言い、その理由として「遅く、信頼できず、カスタマーサービスが酷い」ことを挙げたうえで、「DPDを誰にも、おすすめすることもできません」と答えたそう。
海外メディアによれば、DPD社はこのチャットボットを運用停止にし、現在アップデート中だとのこと。(了)
出典元:sky news:DPD customer service chatbot swears and calls company ‘worst delivery firm’(1/20)
出典元:New York Post:Company disables AI after bot starts swearing at customer, calls itself the ‘worst delivery firm in the world’(1/20)