数人の実業家がNYの市長に、コロンビア大学のデモ鎮圧を要請
先日、ニューヨーク市のコロンビア大学で、親パレスチナのデモが行われたが、この鎮圧に少数の実業家が関わっていたことが、報じられている。
市長に寄付、民間捜査官の費用も負担
ワシントン・ポスト紙の報道によれば、少数の有力な実業家が、ニューヨーク市のエリック・アダムス市長に対し、コロンビア大学で行われていた親パレスチナのデモを鎮圧するよう、圧力をかけていたという。
しかも実業家の1人は、1カ月の法定上限である2100ドル(33万円)をアダムス市長に寄付。さらにデモを鎮圧するために、ニューヨーク市警に協力する民間の捜査官に対する費用まで払うと申し出たそうだ。
結局、アダムス市長はこの申し出を受け入れ、コロンビア大学に警察を突入させて、テントを張って抗議していた学生たちを拘束し、デモを鎮圧した。
これらの情報は、メッセージアプリ「WhatsApp」におけるグループの会話の記録から明らかになったとされている。
億万長者たちの名前も明らかに
ワシントン・ポスト紙が入手した「WhatsApp」のチャット・グループには、多くの億万長者が含まれていたという。
例えば、スターバックスの元最高経営責任者(CEO)のハワード・シュルツ氏や、デル創業者兼最高経営責任者(CEO)のマイケル・デル氏、ヘッジファンドマネジャーのビル・アックマン氏、ドナルド・トランプ前大統領の義理の息子の弟にあたる、ジョシュア・クシュナー氏などだ。
またスナック会社創設者のダニエル・ルベツキー氏、ヘッジファンドマネジャーのダニエル・ローブ氏、億万長者のレン・ブラヴァトニク氏、不動産投資家のジョセフ・シット氏といった人物も、4月26日にアダムス市長とビデオ会議を開いたそうだ。
このような億万長者たちは、大学内でのユダヤ人学生の安全を確保する必要があると主張し、デモ鎮圧を要請したと考えられている。
学生の中には、反イスラエル的な言説に不快感を覚えたと主張する者もいるが、親パレスチナのデモには、多くのユダヤ人の学生も参加していたという。(了)
出典元:Al Jazeera:Pro-Israel billionaires urged New York crackdown on Gaza protests: Report(5/16)