イスラエル軍がラファにあるテントの密集地域を空爆、35人のパレスチナ人が死亡
イスラエル軍は5月26日、ガザ地区南部の都市、ラファに空爆を行い、数多くのパレスチナ人が殺害された。
「人道エリア」に空爆
イスラエル軍はラファ市において、避難してきた人々のテントが密集しているエリアを空爆し、35人のパレスチナ人が死亡したという。
パレスチナ赤新月社は、この空爆がラファ市内中心部から北西約2kmにある、タル・アル・スルタン地区で行われたと伝えている。
また現在も犠牲者の捜索活動が行われており、今後さらに死者数が増える可能性があるそうだ。
しかもパレスチナ赤新月社によれば、この場所はイスラエル軍によって「人道エリア」に指定されており、イスラエル側からの避難命令も出されていなかったという。
イスラエル国防軍(IDF)も、この空爆を認めており、「ハマス」の幹部がいる施設を攻撃したと主張している。
The death toll has risen to at least 35 Palestinians after Israel launched air strikes on a displacement camp in northwest Rafah.
Hind Al Khoudary reports for Al Jazeera. pic.twitter.com/uOusj5NScG
— Al Jazeera English (@AJEnglish) May 26, 2024
Screams of Palestinians in Rafah.
Don’t look away. pic.twitter.com/V05j9vwVQd
— Hamdah Salhut (@hamdahsalhut) May 26, 2024
「ハマス」もロケット攻撃
実はこの空爆の数時間前、「ハマス」はラファから、イスラエルの都市・テルアビブに向かって8発のロケット弾を発射したそうだ。
しかしロケット弾のほとんどは撃墜され、女性2人が避難所に向かう途中で、軽傷を負ったとの報告がある。
イスラエルの戦時内閣に参加しているベニー・ガンツ前国防相は「今日のラファからの集中攻撃は、ハマスがいようと、どこであろうとイスラエル国防軍が行動しなければならないことを証明している」と語った。
約100万人がさらなる避難
すでに国際司法裁判所(ICJ)が、イスラエルにラファでの軍事作戦をやめるよう命じているが、イスラエル軍は攻撃を強化し続けている。
ラファにはガザ地区の人口の半分が住んでいるとされたが、イスラエル軍の攻撃が開始されてから、すでに約100万人がさらなる避難を余儀なくされているという。
しかも国境検問所も閉鎖されているため、支援物資の搬入も停止されたままとなっている。
アメリカ政府は以前から、過密状態にあるラファへの攻撃が行われれば、数千人の民間人が犠牲になる可能性があるとし、反対の姿勢を示していたが、今では「レッドライン」を曖昧にしている。(了)
出典元:The Guardian:Israeli airstrike kills 35 in Rafah after Hamas launches rockets at Tel Aviv(5/26)