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ナチス・ドイツの暗号機「エニグマ」、オークションに出品され1100万円で落札

ナチス・ドイツの暗号機「エニグマ」、オークションに出品され1100万円で落札
Nate D Snanders

第2次世界大戦中、ナチス・ドイツが使っていた暗号機「エニグマ」。これが先週、アメリカでオークションに出品され、高値で落札された。

 

解読が困難とされた暗号機

 

「エニグマ」とは、ドイツで開発された機械式の暗号機、または暗号そのものを指す。

 

この暗号機は当時、最も強力な暗号鍵を生成していたため、解読が非常に困難とされていた。またこの暗号機のおかげで、ドイツ軍は潜水艦のUボートでの作戦でも大きな成功を収めていたと言われている。

 

その「エニグマ」が12月14日、テキサス州のダラスで開かれたオークションに出品され、10万6250ドル(約1160万円)で落札された。

 

売り手や落札者の名前は明らかになっていない。ただオークションを開催した「Heritage Auctions」によれば、売り手はロサンゼルスに住み、長い間アメリカに関する文献や第2次世界大戦の品を集めていた人物だという。

 

Heritage Auctions

チャーチル首相も暗号機の破壊を命令

 

エニグマは1934年から第2次世界大戦が終わるまでナチス・ドイツによって使われ、現在は250台弱しかないと考えられている。(初期型などを含めれば、1934年以前から使われていたともいえる)

 

その多くは戦後、敵国に渡るのを防ぐためにドイツ軍によって破壊され、イギリスのチャーチル元首相も、「エニグマ」を廃棄するよう命じたという。また多くは海に捨てられたとも言われている。

 

今回オークションに出されたのは3つの暗号ローター(歯車)がついた「M3」と呼ばれるもので、第三帝国(ドイツ)の紋章が彫られているという。

 

またこれは通常の文字の使用以外に、1万7576文字の組み合わせに変えることができたそうだ。

 

しかしそのような解読困難とされた暗号も、イギリスの天才数学者、Alan Turing氏が戦時中に解読に成功したと言われている。当時のことは2014年公開の映画『イミテーション・ゲーム』でも描かれている。(了)

 

 

出典元:Bloomberg:Rare Nazi ‘Enigma’ Code Machine Tops $100,000 at Auction(12/15)

出典元:NYPost:Nazi Enigma encryption machine sells for $106,250 at auction(12/14)

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