ガザ地区でイスラエル軍の攻撃により、さらに100人以上が死亡

イスラエル軍は3月20日も、ガザ地区に対して激しい空爆を加え、数多くのパレスチナ人が殺害された。
3日間で591人が死亡
ガザ地区の保健当局によれば、3月20日も夜明け以来、イスラエル軍の空爆により、少なくとも110人(91人との報道も)が死亡したという。
またイスラエル軍が3月18日に停戦を破棄し、大規模空爆を行って以来、これまでに200人以上の子供を含む591人のパレスチナ人が死亡、1042人が負傷したそうだ。
しかも20日の攻撃でも、犠牲者のうち女性と子供の割合が増加しているという。
主にガザ地区北部や南部に攻撃が集中
20日の空爆は、主にガザ地区北部のベイト・ラヒヤ、そして南部のラファやハンユニスに集中していたと言われている。
ハンユニス近郊の村では、住宅への空爆で少なくとも16人が死亡、犠牲者のほとんどは女性と子供だったという。
ラファにあるEuropean病院は、夜間の攻撃で26人の遺体を受け入れたと述べ、そのほとんどは女性と子供だったそうだ。
またハンユニスのナセル病院は、住宅への攻撃で死亡した7人の遺体を受け入れたという。
ガザ地区北部では、インドネシア病院が、国境近くの町ベイト・ラヒヤでの攻撃で死亡した7人の遺体を受け入れた。ベイト・ラヒヤでの2度目の攻撃では、葬儀に参列していた多くの会葬者が死亡したと言われている。
中部のDeir al-Balahにあるアル・アクサ殉教者病院の広報担当者は、負傷者の70%が女性と子供で、ほとんどが重体で搬送されたという。
しかも各病院ともに医療物資が不足し、燃料も少なくなっているそうだ。
イスラエル国内で大規模なデモ
「ハマス」は20日、停戦が破られて以来、初めてイスラエルのテルアビブに対し、ロケット弾攻撃を行ったという。
しかしイスラエル側からは、被害や死傷者は報告されていない。
またイスラエル国内では、数万人の人々が抗議デモに参加し、ガザ地区での新たな停戦を求めたという。
特にエルサレムやテルアビブでは激しい抗議活動が行われ、主要幹線道路が封鎖されて、警察は少なくとも12人を逮捕。また数千人が、エルサレム中心部にあるネタニヤフ首相官邸近くの通りに集まったそうだ。
活動家らは、抗議デモが「勢いとエネルギーを増している」ため、今後数日間でさらなる抗議活動が予想されると述べている。
אלפי מפגינים נגד פיטורי ראש שב”כ בקריית הממשלה בירושלים@nakash_noam pic.twitter.com/DDexDOBkzb
— גלצ (@GLZRadio) March 20, 2025
彼らの怒りのきっかけは、ネタニヤフ首相の側近の汚職捜査をしていた、国内諜報機関「シンベト」のロネン・バール長官を解任しようとしたこと。さらにネタニヤフ首相が批判をかわすため、停戦を破り、ガザ地区を再攻撃したことで、これらが抗議活動に拍車をかけているという。
デモ参加者たちは、イスラエル政府が政治的な理由で攻撃を再開し、「ハマス」に拘束されている59人の人質(うち約24人が生存していると考えられている)の生死を無視していると非難。
またネタニヤフ政権が、バール長官の解任を違法とした検事総長まで解任しようとしており、活動家らはこの動きを「民主主義の危機」と呼んでいるという。(了)
出典元:The Guardian:Israeli strikes on Gaza add to soaring child death toll(3/20)
出典元:The Guardian:Thousands protest in Israel over ‘attack on democracy’ by Netanyahu(3/20)
出典元:Aljazeera:LIVE: Israel begins ground invasion of Rafah, south Gaza(3/20)