ミャンマー国軍、地震後も民主派勢力への空爆を継続

先日、ミャンマー中部で大地震が起き、すでに1600人以上の死者が出ているが、そんな中ミャンマー国軍は、民主派勢力への空爆を続けている。(アイキャッチはイメージ)
国軍が部隊を展開することに重点を置く
ミャンマーの民主派と連携している少数民族勢力のカレン民族同盟(KNU)は30日、「地震で国民が甚大な被害を受けているにもかかわらず、ミャンマー軍は民間地域を狙った空爆を続けている」と述べたという。
また「通常であれば軍は救援活動を優先するところだが、その代わり、国民を攻撃するため部隊を展開することに重点を置いている」と非難した。
救援組織「フリー・ビルマ・レンジャーズ」によると、3月28日の地震の直後、ミャンマー軍のジェット機が、カレン州のKNU本部付近で空爆とドローン攻撃を開始したという。
ミャンマー軍が被災地支援をしていない
マグニチュード7.7の地震の震源地は、軍事政権が掌握している地域だったが、被害は広範囲に及び、民主派勢力が掌握している一部の地域にも影響を及ぼしている。
ミャンマーの国民統一政府(民主派)は3月30日、この地震により、指揮下にある民兵が2週間、全ての軍事行動を停止すると発表した。
国際的NGO「国際危機グループ(International Crisis Group)」のミャンマー上級顧問、リチャード・ホーシー氏も、民主派勢力の一部は攻撃を停止したが、他の地域では戦闘が続いていると指摘。
ミャンマー軍が空爆を続けており、軍事政権が地震の被災地で目立った支援をほとんど提供していないと非難し、次のように述べた。
「地元の消防隊、救急隊、地域団体は動員されているが、このような危機で、支援のために通常動員されるはずの軍隊はどこにも見当たらない」
ミャンマーでは、2021年に国軍がクーデターを起こし、アウン・サン・スー・チー政権から権力を奪取。以来、民主派勢力とそれに連携した少数民族のグループが国軍と戦闘を繰り広げ、内戦状態に陥っている。(了)
出典元:Reuters:Myanmar military still bombing towns despite earthquake crisis, rebels say(3/30)