ロシアのミサイル攻撃により、ウクライナのスムイ市で34人が死亡、100人以上が負傷

ロシア軍の弾道ミサイルによる攻撃を受け、ウクライナ北東部の町では、数多くの民間人が亡くなった。
ミサイルがバスに命中
4月13日の朝、ロシア軍の2発のミサイルが、ウクライナ北東部・スムイ市の中心部に着弾。1発は、乗客で混雑したトロリーバスに命中したという。
この攻撃により車両が炎上し、爆発で乗客らが外へ投げ出され、路上には数多くの遺体が横たわっていたそうだ。
当時、人々はキリスト教の行事「聖枝祭」のため教会へ向かっていたとされ、道路を歩いていた人々も被害を受け、少なくとも34人が死亡、100人以上が負傷したという。
死亡した人の中には2人の子供が含まれ、また負傷した117人のうち、15人は子供だったと言われている。
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Sumy 💔
24 people killed, including one child.
84 people injured, including seven children.
The Russian missile was a cluster one to maximize the damage.
The most victims were in the trolleybus. https://t.co/j8uMA3nUhK pic.twitter.com/g7URVzqjjJ
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「ロシアが停戦案を無視」
ウクライナのゼレンスキー大統領は、この攻撃がロシアによる意図的なテロ行為だと非難。SNSにも次のように投稿した。
「敵のミサイルは、ごく普通の街路、ごく普通の生活、住宅、教育機関、路上の車などを攻撃した。しかも、人々が教会に行く日、つまり主のエルサレム入城を祝う聖枝祭の日に攻撃されたのだ」
さらにゼレンスキー大統領は、ロシアがアメリカによる無条件の停戦案を無視していると主張。「残念ながら、ロシア政府は、処罰されることなく殺害を続けられると確信している。この状況を変えるには行動が必要だ」と訴えた。
アメリカ・トランプ大統領の特使、スティーブ・ウィトコフ氏は4月11日、サンクトペテルブルクでプーチン大統領と会い、4時間にわたる会談を行ったという。
しかしプーチン大統領の報道官、ドミトリー・ペスコフ氏は13日、会談は非常に順調に進んでいるものの、「すぐに結果が出るとは期待できない」と述べたそうだ。
ヨーロッパ各国がこの攻撃を非難
イギリスのスターマー首相は、「ロシアによる民間人への、恐ろしい攻撃に愕然としている」とし、「プーチン大統領は、今すぐ条件なしの完全かつ即時の停戦に同意すべきだ」と述べた。
フランスのマクロン大統領も、「ロシアに停戦を強制させることが緊急に必要だ」とし、「この戦争を望んでいるのはロシアだけだと、誰もが知っている」と主張したそうだ。
EUの駐ウクライナ大使、カタリーナ・マテルノヴァ氏は今回の攻撃を戦争犯罪と呼び、「ロシアにとって神聖なものは、何1つないようだ。教会も、ウクライナの子供たちも」と語っている。
ウクライナ側は、すでにトランプ政権が約1カ月前に提案した、30日間の停戦に同意しているが、ロシア側はまだ同意していない。
トランプ大統領は、そんなロシアに「憤慨している」とも発言していたが、今のところロシアに対して具体的な措置を講じていない。
ウクライナが停戦の受け入れを発表した翌日、ロシア軍はミサイル70発とドローン2200機を発射。4月4日には、ウクライナ中部のクリヴィー・リフ市にある遊び場に、ロシア軍のミサイルが着弾し、子供9人と大人9人が死亡したという。
ゼレンスキー大統領は、ウクライナの空を守るため、同盟国に対しパトリオット防空システム10機の追加配備を、強く求めているそうだ。(了)
出典元:The Guardian:Russian missile strike kills dozens in Ukrainian city of Sumy(4/13)