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イタリアの島で害獣の“野良ヤギ”を移動させる作戦が開始され、注目を集める

イタリアの島で害獣の“野良ヤギ”を移動させる作戦が開始され、注目を集める
Twitter / Enpa Onlus

イタリアのパルマリア島で100頭にも及ぶ“野良ヤギ”を移動させる作戦が開始され、注目を集めている。

 

世界遺産の島に住む外来種の“野良ヤギ”

 

イタリア北西部に位置するパルマリア島は、世界遺産「ポルトヴェーネレ、チンクエ・テッレと小島群」を構成する島の一つとされ、美しい文化的景観を有することで知られる。

 

 

そんな島は一方で外来種の“野良ヤギ”が生息していることでも知られているという。

 

ヤギたちは1960年代より島に住み着いているとされるが、なぜ外来種であるヤギが同島に存在しているのか、はっきりとした理由はわかっていないそうだ。

 

しかし数十年もの間にヤギの数は少しずつ増え、現在ではわずか30人ほどである人間の数よりはるかに多くのヤギが住み着いているという。

 

殺処分が検討されイタリアで騒動に

 

ヤギたちはパルマリア島の切り立った崖に悠然と佇む姿で観光客から人気を集める一方、植物や畑を荒らしてしまうことから、住人の間では害獣とみなされてきた。

 

 

地元政府はここ何年にもわたり、ヤギをいかにして駆逐するか模索。

 

しかし2016年、パルマリア島の地元政府がヤギの殺処分を検討していることが伝えられると、イタリアではちょっとした騒動に。

 

結果として地元政府はイタリアの動物保護組織Enpaの協力により、ヤギを捕獲して移動させる作戦を実行させることで落ち着いたという。

 

ヤギの引き取り手を募集中

 

計画は先々週から実行されているが、パルマリア島にどれほどの数のヤギが住んでいるのかその正確な数は知られていないため、初段階としてはその調査等も含まれるという。

 

計画の第一段階では、囲いの中に餌を置き、ヤギをおびき寄せて捕獲。発信機能付きの首輪を取り付けた後に一度放し、仲間の数を探るという。

 

そしてそれが完了したらヤギは捕獲され獣医の検診を受け、牧場などで隔離された後、新たな住まいへと運ばれるとのことだ。

 

 

Enpaはこのためヤギの引き取りを希望する人を募集中。

 

しかしEnpaのMassimo Pigoni氏はLa Stampaの取材で「一たび島を出ることになったヤギたちを、銃で殺したり食用やその他の生産物に加工してはならないのは確かだ。しかし彼らは屋内で飼える動物ではなく、犬のようにひもで繋いでおくこともできない」とヤギを引き取る際の条件を語っている。

 

またEnpaではインターネット上でヤギの救出作戦にかかる費用を捻出するための寄付も募っており、「このような大規模な救出作戦には費用がかかる。特に1つの島全体となればなおさらだ」と綴っている。

 

ヤギの捕獲・移動には最長で1年がかかると見込まれているとのことだ。

 

切り立った崖が多く存在する島で、100頭にも及ぶ数のヤギを捕獲し移動させるという作戦。これが1年以内に終了し、ヤギたちが新たな住まいへと無事落ち着くことができるのか、作戦の行方が気になるところだ。(了)

 

出典元:The Local Italy:Volunteers are evacuating 100 stray goats from an idyllic Italian island(2/7)

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