ロシア軍がウクライナへ攻撃を再開、南部へルソン州で3人が死亡

キリスト教の復活祭に合わせて一方的に停戦を宣言していたロシア軍が、ウクライナへの攻撃を再開した。
96機の無人機と3発のミサイルで攻撃再開
ロシアのプーチン大統領は4月19日、キリスト教の復活祭に合わせて30時間の停戦を一方的に宣言し、21日の午前0時まで全ての敵対的行為を停止するよう命じた。
ウクライナ側もこれに応じる意向を示し、ゼレンスキー大統領はさらに30日間の停戦案を提示。アメリカ政府も20日、この案を承認した。
しかしゼレンスキー大統領は4月20日、停戦期間中にも関わらず、19日以降、ロシア軍による砲撃が1882回あったと主張。そのうち812回は重火器を使ったもので、ロシア軍の停戦違反は合計で2935回に及んだという。
それでもゼレンスキー大統領は、民間インフラへの攻撃を行わないとの姿勢を維持しているとして、ロシア側にも検討するよう求め、協議に応じる構えを示していた。
しかし4月21日にはロシア軍が、ウクライナへの攻撃を再開。ウクライナ空軍によると、夜間に96機の無人機と3発のミサイルが中部と東部に発射され、国内の大部分で空襲警報が発令されたという。
ヘルソン州で3人が死亡、3人負傷
このロシア軍の攻撃により、ウクライナ南部のヘルソン州では、住宅街と店舗が被害を受け、3人が死亡、3人が負傷したという。
死亡した人の中には、路上を歩いていた女性も含まれ、東部のドネツク州でもロシア軍のドローン攻撃により4人が負傷したそうだ。
今回の攻撃再開は、アメリカが承認した30日の停戦案が見送られたことを意味しているが、トランプ政権はすでにロシア側にかなり「有利な」和平合意案を提示しているという。
まずは1000キロにおよぶ前線での紛争の一時停止、クリミア半島がロシア領であることをアメリカ側が承認すること、そしてウクライナをNATOに加盟させないことが含まれていると言われている。
また停戦案には、ロシア軍が接収したザポリージャ原子力発電所を「中立」地帯の一部にするとの案が含まれているといった、未確認の情報もある。
アメリカの特使を交えたウクライナとの和平交渉は、今週後半にロンドンで行われる予定だという。(了)
出典元:The Guardian:Three people killed after Russia resumes attacks in Ukraine(4/21)