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イスラエルの完全封鎖により、ガザ地区では食料備蓄が枯渇しつつある:WFP

イスラエルの完全封鎖により、ガザ地区では食料備蓄が枯渇しつつある:WFP
X_Philippe Lazzarini

国連世界食糧計画(WFP)は、イスラエルによる8週間にわたる全面封鎖により、ガザ地区の食糧援助備蓄が完全に枯渇しつつあると発表した。

 

「数日中に、食糧が完全になくなる」

 

世界食糧計画は4月25日、ガザ地区の給食施設に、残っていた最後の食糧を届けたと発表。しかし同時に「今後数日のうちに、食糧が完全になくなると予想される」と述べたという。

 

また11万6000トンを超える食糧支援物資(100万人に最大4カ月分の食料を供給するのに十分な量)が、ガザ地区の外で準備されているが、イスラエルの封鎖により搬入が阻止されていると明らかにした。

 

WFPパレスチナ代表のアントワーヌ・ルナール氏は、次のように述べている。

 

「WFPとして、私たちは40万人ほどに温かい食事を提供していました。そして、現地で活動する様々なNGOと合わせると、実質的に100万人、つまりガザ地区の人口の半分弱にあたる人々に食事を提供していたことになります。しかし私たちは皆、資金が不足し、枯渇しつつあります」

 

またルナール氏はガザ地区の封鎖を止めるよう、次のように訴えた。

 

「ガザ地区では、再び飢餓が広がっています。乳製品も肉も魚も見つかりません。果物さえほとんど手に入らないのです。一部の店ではまだ在庫が残っているものもありますが、それも底を尽きつつあります」

 

ガザ地区の状況は「絶望的」

 

国連パレスチナ難民救済事業機関(UNRWA)も、イスラエルの封鎖によりガザ地区の状況は「絶望的」だと述べている。

 

UNRWAによれば、約3000台に及ぶ人道支援のトラックが、ガザ地区に入る準備ができているが、イスラエル軍によって阻止されているという。

 

その上でUNRWAは「人道支援が、交渉材料や戦争の武器として使われている」と非難した。

 

100万人以上の子供が飢餓の危機

 

ガザ地区のメディア局も、イスラエル軍の封鎖により100万人以上の子供が飢餓の危機に瀕していると警告し、ガザ地区への食糧、医薬品、燃料の搬入を訴えた。

 

メディア局によれば、過去数週間に死亡した52人は、飢餓と栄養失調が原因だと考えられるという。

 

また多くの家族が毎朝、長時間にわたってNGOの「コミュニティ・キッチン」の門の前に並んでいるが、何も持たずに帰ってくる人も少なくないそうだ。

 

さらにすでに物資が底をつき、子供に1日1食しか食べさせられない家族もいると言われている。

 

イスラエルのカッツ国防相は先日、全ての人質が解放されない限り、ガザ地区へは支援物資を搬入させないと発言。

 

これを受け、ユダヤ人系アメリカ人のバーニー・サンダース上院議員は、明らかに「戦争犯罪」だとし、アメリカ政府にイスラエルへの支援を止めるよう訴えたが、トランプ政権はイスラエル寄りの姿勢を示している。

 

イギリスとフランス、それにドイツの外相も23日、共同声明を発表。「必要な物資が手に入らず、100万人の子供を含むガザ地区の住民は、差し迫った飢えや病気、死の危険に直面している」と述べ、イスラエルに対し、国際法に基づき、人道支援物資の搬入を認めなければならないと訴えた。(了)

 

出典元:Aljazeera:Live: UN runs out of food aid in Gaza amid Israel’s total blockade(4/25)

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