イスラエル軍の攻撃によりガザ地区で80人が死亡、29人が餓死

イスラエル軍は5月22日にも、ガザ地区全域に激しい攻撃を加え、数多くのパレスチナ人が殺害された。
建物が倒壊し、50人が行方不明
イスラエル軍は、ガザ地区北部のジャバリアで、4階建て住宅を爆撃。少なくとも4人が死亡し、瓦礫の下敷きとなり約50人が行方不明になっているという。
ガザ地区の民間防衛隊は、この攻撃を「大量虐殺」と呼んでおり、もはや重機なしでは救助活動もできないと語っている。
以前攻撃を受けた、ガザ地区北部のJabalia al-Baladにある2軒の破壊された家屋からは、13人の遺体が収容された。
ガザ地区北部のガザ市東部にあるトゥッファ地区の通りでも、イスラエル軍の爆撃により、2人が死亡。ガザ地区北部にあるアル・アウダ病院もイスラエル軍の攻撃を受け、医薬品倉庫で火災が発生したという。
またイスラエル軍は、ガザ地区中部にあるマガジ難民キャンプの住宅を空爆し、5人のパレスチナ人が死亡、数人が負傷。同じく中部のDeir el-Balahでもイスラエル軍の空爆により住宅が破壊され、3人が死亡、数人が負傷した。
ガザ地区南部にあるハンユニスでも、避難民用テントが攻撃を受け、パレスチナ人1人が死亡、数人が負傷。ハンユニスのQizan an-Najjar地区でも、イスラエル兵に銃撃され1人のパレスチナ人が死亡し、またドローンの空爆により2人が殺された。
ガザ地区の医療関係者によれば、22日未明以降、ガザ地区全域でイスラエル軍の攻撃により、少なくとも80人が死亡したという。
Horrific moments as Israeli warplanes targeted a residential building in Gaza City amid intensifying attacks on homes and shelters across the enclave.
Since dawn today, Israeli airstrike have killed at least 23 Palestinians in the Strip, according to medical sources. pic.twitter.com/fXPLnhqLN4
— Quds News Network (@QudsNen) May 22, 2025
子供と高齢者29人が餓死
パレスチナのMajid Abu Ramadan保健相は22日、ガザ地区ではここ数日間で、子供と高齢者を含めた29人が飢餓に関連して死亡したと報告し、さらに数千人が危険にさらされていると述べた。
すでに国連は支援物資がなければ、今後1万4000人の乳児が死亡する可能性があるとの見方を示している。
Ramadan保健相は、記者団からこのことについて質問されると、「1万4000人という数字は非常に現実的であり、むしろ過小評価している可能性もある」と述べたという。
一方、イスラエル軍は21日、支援物資を積んだ約90台のトラックのガザ地区への進入を許可した。
ユニセフ(国連児童基金)のパレスチナ事務所も、21日に508パレット(荷役台)分の栄養補給物資がガザ地区の倉庫に到着したと認めたが、物資の量は「極めて不十分」だと述べた。
🚨508 pallets of life-saving nutrition supplies reached @UNICEF’s warehouse in #Gaza yesterday.
This is vastly insufficient. Children are in urgent need of food, water, and protection.
As intense bombardments continue, children keep being killed and injured. pic.twitter.com/jLb8Yb8nTZ
— UNICEF Palestine (@UNICEFpalestine) May 22, 2025
この輸送量の少なさについては、複数の主要NGOや他の国連機関、そして国連事務総長の報道官の評価と一致している。
一方、イスラエルのネタニヤフ首相は22日、ガザ地区の支援物資配給区域が、数日中に完成すると発表。また首相はビデオ演説で、次のように述べた。
「最終的にはガザ地区南部に、大規模な安全地帯を設ける予定です。パレスチナの住民は自らの安全のために、そこに避難することになりますが、我々は他の区域で戦闘を行います」
ギリシャの首相もイスラエルを批判
一方、イスラエルに対する国際社会の批判は強まっており、5月22日には、良好な関係を保っていたギリシャからも、非難の声が上がった。
ギリシャのKyriakos Mitsotakis首相は22日、放送局「Skai」へのインタビューで、ガザ地区における即時停戦と、パレスチナの住民への人道支援物資の供給再開を求め、次のように述べた。
「そこ(ガザ地区)で起こっていることは不当であり、容認できない。イスラエルはこれらの作戦を直ちに停止しなければならない。私はベンヤミン・ネタニヤフ首相に対し、10月7日の残忍な攻撃は、(今回の)軍事作戦を正当化できない、不相応な人道上の苦しみを引き起こしている、と個人的に伝えました」
またMitsotakis首相は、ギリシャとイスラエルの戦略的同盟関係を再確認する一方で、他の同盟国とも率直に話し合う必要があると述べたという。
南米のウルグアイ政府も22日、ヨルダン川西岸地区でイスラエル兵が各国の外交官に発砲したことを受け、イスラエルの大使を召喚した。
当時、ヨルダン川西岸地区のジェニンでは多くの外交官が人道状況の視察を行っており、その中には、ウルグアイの外交官も含まれていたという。
ウルグアイ外務省は、駐在しているイスラエルのMichal Hershkovitz大使を召喚し、発砲の理由について「報道されている事実関係を明らかにする」よう求めた。
一方、トルコのエルドアン大統領は、イスラエルが国際社会から孤立しつつあるとの見方を示しながらも、「これはガザにおける人道危機というだけでなく、国際システムの誠実さを試す試練でもある。西側諸国の機関は、その誠実さを証明できていない」と発言。誠実さを示せなかった国は、「歴史の責任を問われるだろう」と述べたという。(了)
出典元:Aljazeera:LIVE: Israeli kills 80 in Gaza, aid remains insufficient, says UN(5/22)