ロシア軍がウクライナ北東部で進軍、スムイ州で複数の村を制圧

ロシア軍はウクライナ北東部で進軍を続けており、緩衝地帯を作ろうとしているとの見方が出ている。
ロシア軍が4つの村を制圧か?
ロシア軍はウクライナ北東部スムイ州で勢力を拡大させており、これまでに6つの村を制圧したと主張している。
スムイ州のOleh Hryhorov知事も5月26日、フェイスブックでロシア軍がスムイ州にある4つの村、Novenke村やBasivka村、Veselivka村、Zhuravka村を制圧したと投稿。州内の他の集落付近でも、戦闘が続いていると述べた。
またHryhorov知事は、ロシア軍がこの地域に「緩衝地帯」を作ろうとして、攻撃を続けているとの見方を示した。
もっともウクライナ軍は、この情報が極めてデリケートな問題であるためか、ロシア軍がスムイ州に駐留していると公式には発表していない。
新たな部隊を北東部へ移動させたか?
ただウクライナのゼレンスキー大統領は26日夜の演説で、ロシア軍の「新たな攻勢の準備」について話し、スムイ州での出来事に言及したという。
ウクライナの最前線における情勢を監視する団体「ディープ・ステート・マップ」も、ロシア軍がスムイ州で4つの村を制圧していると指摘。今年の3月頃から、ロシア軍が攻勢をかけているとの見方を示した。
ウクライナの軍事評論家、Kostyantyn Mashovets氏もこれを認めたが、ロシアの進撃は非常に遅く、過去2週間で約1kmにとどまっていると主張。またロシア軍が最近、ドンバス地方(ウクライナ南東部)から、新たな部隊をスムイ州へ移動させたと述べている。
スムイ地域の防衛にあたるウクライナ軍の報道官、Vadym Mysnyk大佐によれば、ロシア軍は攻撃の際、主にバイクやバギーに乗った小部隊を用いているという。
これは大型の装甲車両の動きがドローンによって迅速に発見され、破壊される可能性があるためと考えられ、戦場ではスピードと機動力が極めて重要となる。
またスムイ州はロシア軍の空爆と砲撃による攻撃を定期的に受けており、地元当局は5月24日以降、ロシアが同地域に30発以上の誘導爆弾を投下したと報告しているという。
そしてロシア軍が前進しているため、前線に近い202の集落で、すでに住民の避難が行われているそうだ。(了)
出典元:BBC:Russian advance in Ukraine’s north east may be attempt to create ‘buffer zone’(5/27)