イスラエル軍、ガザ市で50棟の建物を破壊、すでに10万人が避難か

イスラエル軍は、ガザ地区北部のガザ市へ激しい攻撃を加え、数多くの高層マンションなどを破壊し続けている。
50棟を破壊、100棟が損傷
ガザ地区の民間防衛隊によれば、イスラエル軍の攻撃により、ガザ市にある少なくとも50棟の高層マンションなどが破壊され、さらに100棟が損傷したという。
SNSにもガザ市にある「アル・ルヤ・タワー」と呼ばれる建物が、イスラエル軍の攻撃により、破壊されていく様子が投稿されている。
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また民間防衛隊は声明で、イスラエル軍によるガザ市への空爆により、200張以上のテントが破壊されたと推定している、と発表した。
このような激しい攻撃により、9月7日も、ガザ市だけで少なくとも48人のパレスチナ人が死亡。ガザ地区全域にある学校やテント、住宅への攻撃で、少なくとも52人が殺害されたという。
The moment Israeli warplanes bombed a house in Al-Daraj neighborhood, Gaza City. pic.twitter.com/VTO9vdfliU
— TIMES OF GAZA (@Timesofgaza) September 7, 2025
#GazaGenocide pic.twitter.com/zfJlHYAHXD
— TIMES OF GAZA (@Timesofgaza) September 7, 2025
Israeli warplanes bombed a mosque in Gaza City, completely destroying it. pic.twitter.com/hScdi0tZ4C
— TIMES OF GAZA (@Timesofgaza) September 7, 2025
ガザ市から10万人が避難か
イスラエルのネタニヤフ首相は9月7日、軍がガザ市制圧計画を進める中、これまでに約10万人のパレスチナ人がガザ市を離れたと主張した。
またネタニヤフ首相は、イスラエル軍が「テロリストのインフラと高層ビルを排除している」とし、「ハマス」が高層ビルを軍事的に利用していると主張しているが、その証拠は示していない。
そしてイスラエル軍は、ガザ市の住民に対し、ガザ地区南部のアル・マワシ地区が「安全地帯」であるとし、そこへ移動するよう強制的に命じている。
しかし以前から、イスラエル軍はアル・マワシ地区へ何度も攻撃を仕掛けており、ガザ地区の内務省も「安全地帯」との主張は「虚偽」だと指摘。
内務省は声明を発表し、ガザ市のパレスチナ人に対し、イスラエルがアル・マワシ地区に人道地帯を設置したという主張を信じないよう警告した。
米政府が新たな停戦案を提示
アメリカ政府は9月7日、イスラエルに対し、ガザ地区で捕らえられている全ての人質の解放と引き換えに、紛争を早期に終結させる、新たな停戦案を提示したという。
またアメリカ政府のスティーブ・ウィトコフ中東特使は、イスラエル人活動家、ガーション・バスキン氏を通じて「ハマス」に対し、停戦とイスラエルの刑務所に拘束されている2500~3000人のパレスチナ人の解放と引き換えに、イスラエル人の人質48人全員の解放を求める提案を送ったそうだ。
この提案では、停戦宣言後、イスラエルによる「ハマス」の武装解除要求、そしてイスラエル軍のガザ地区からの完全撤退を含む、紛争終結のための条件交渉が直ちに開始されるという。
また「ハマス」がこの提案に応じれば、トランプ大統領が紛争終結に向けて積極的に取り組むこと、そして戦闘終結のための条件交渉が行われている限り、停戦が継続されることが強調されているそうだ。
すでにイスラエル側はこの提案を受け入れており、「ハマス」に対しても停戦案を受け入れるよう圧力をかけ、提案に応じない場合、ガザ地区におけるイスラエル軍による大規模な作戦を実施すると脅している。(了)
出典元:Aljazeera:LIVE: Israel flattens Gaza City high-rise, kills 52 across Gaza Strip(9/7)