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イスラエル軍が停戦を破り、ガザ地区で109人を殺害、トランプ氏は批判せず

イスラエル軍が停戦を破り、ガザ地区で109人を殺害、トランプ氏は批判せず
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イスラエル軍は、停戦中にもかかわらず、ガザ地区へ大規模な空爆を行い、子供や女性を含む数多くのパレスチナ人が殺害された。

 

子供52人、女性23人が死亡

 

イスラエルのネタニヤフ首相は、ガザ地区南部のラファで、イスラエル兵が銃撃されたと一方的に主張し、「ハマス」が停戦合意に違反したと非難。9月28日には、イスラエル軍に対し、ガザ地区への大規模な攻撃を行うよう指示した。

 

「ハマス」側は、イスラエル兵への銃撃には一切関与していないと主張したが、その後イスラエル軍はガザ地区の各地を空爆。住宅街や病院、避難所を繰り返し標的にしたという。

 

ガザ地区のメディア局は10月29日、イスラエル軍の攻撃により、ガザ地区で109人のパレスチナ人が殺害されたと発表。死亡した人の中には、子供52人、女性23人、高齢者4人、障がい者7人が含まれていたという。

 

攻撃後、停戦に復帰すると発表

 

イスラエル側は、この攻撃ではガザ地区の30以上の標的を攻撃したと発表。標的は「テロ組織の指揮官であるテロリスト」だと主張したが、過去2年間、イスラエル軍は同じ主張を繰り返し、民間人を殺害し続けてきた。

 

またイスラエル軍は、ガザ地区南部のラファで、37歳の兵士が銃撃され、死亡したと発表したが、その兵士がいつ殺害されたのかなど、詳細を明らかにしていない。

 

イスラエル軍はその後、政治指導部の指示に従って停戦に復帰すると発表。しかし必要であれば、ガザ地区を再び攻撃する準備は整っているとも述べた。

 

一方、ガザ地区のメディア局は声明で、「イスラエルが真実を歪曲し、ガザ地区の民間人に対する継続的な犯罪を隠蔽することを目的として、組織的な偽情報、嘘のキャンペーンを続けている」と非難した。

 

トランプ氏「イスラエルが反撃した」

 

この停戦違反について、トランプ大統領は、「イスラエル兵が殺害された後、イスラエル側が反撃した」との見方を示し、「停戦合意を危うくするものは何もないだろう」と語ったという。また「ハマス」に対しては、「行儀よくしなければならない」とも述べた。

 

トランプ政権の関係者も、イスラエル兵の死につながった攻撃は「ハマス」によるものだと確信しているとし、イスラエルの対応は限定的で的を絞ったものであり、停戦が再び発効したとの見方を示した。

 

これは明らかにイスラエル側に立った見解だが、その一方で、トランプ政権は再びイスラエルへ高官を派遣する予定だという。

 

「これは戦争犯罪ではないのか?」

 

この状況をどう理解すればいいのか?「キングス・カレッジ・ロンドン」の国際安全保障講師、ロブ・ガイスト・ピンフォールド氏は、「アルジャジーラ」に対し、今回の攻撃は「多かれ少なかれ、明らかにアメリカと調整されたもの」だとし、次のように語った。

 

「確かに、これは停戦違反のように感じられるかもしれない。しかし、この攻撃がアメリカと事前に合意していなかったとは考えにくい。アメリカの当局者は、イスラエル政府に対し、ほぼ確実に非公式にこう言うだろう。『わかった。あなた方には反撃する権利があるが、同時に停止する必要もある。我々は停戦合意を破棄させるつもりはない』」

 

一方、アメリカ国内でもイスラエル軍による攻撃を非難する声が上がっており、トランプ大統領の熱烈な支持者で、極右「MAGA(アメリカを再び偉大に)」運動の中心人物である、共和党のマージョリー・テイラー・グリーン下院議員は、「X」に次のように投稿した。

 

「イスラエル軍は水曜日、46人の子供を含む104人を殺害した後、ガザ地区で停戦合意に復帰すると発表した。46人の子供!!!これは戦争犯罪ではないのか?」

 

グリーン下院議員は以前から、イスラエルによるガザ紛争を「ジェノサイド」と呼び、ますます声高に批判するようになっている。(了)

 

出典元:Aljazeera:LIVE: Hamas decries Israel’s ‘treacherous escalation’ in Gaza with 100 dead(10/29)

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