日本の空き家が無料で手に入る!海外メディアが話題に
日本で全国的に空き家が増加していることが報じられるようになって久しい。
しかしそんな空き家の中には、無料で取得することが可能なものもあることをご存じだろうか。
そんな日本の無料で取得可能な空き家について報じた、海外メディアの記事をご紹介させていただこう。
東京都の“秘境”で無料の空き家を取得
日本の無料で取得可能な空き家について報じているのは米メディアCNN。
記事では日本の空き家を無料で取得した夫婦のストーリーに始まり、日本の空き家問題が報じられている。
「修復のため多くの作業が必要でしたが、田舎の大きな庭付きの家に住みたいとずっと思っていたんです」
そう語るのは、Takayuki IdaさんとNaoko Idaさん(45)のご夫妻だ。
それまでNaokoさんの実家で暮らしていたという夫妻は、東京都の“秘境”と言われる奥多摩の地で空き家を無料で取得。3人の子供と共に引っ越してきたという。
全国的に1000万戸近くが空き家に
伝えられるところによると、2013年時点で日本には6100万戸もの住宅が存在していた一方、世帯の数は5200万ほど。1000万戸近い住宅が余っていたことになる。
このような空き家は、今後さらに増加していくことが予想されている。
2018年11月時点における日本の総人口は1億2645万人(総務省統計局による統計)である一方、国立社会保障・人口問題研究所によると、2065年までにこの数値は8800万人ほどまで落ち込む可能性があるという。
しかし人口減少につれて空き家問題に悩まされることとなるのは、大都市よりも田舎の方だ。
日本では900近くにも及ぶ自治体が2040年までに消滅する可能性がある「消滅可能性都市」となっており、Idaさん夫妻が空き家を無料で取得した奥多摩町もこの中の一つに数えられる。
南会津町舘岩地区「たのせ集落」で地域おこし協力隊を募集していますヨ(*^^*)/過疎・高齢化が進む限界集落で、集落のみなさん全員と一緒に地域づくり活動してくれる元気あふれる方を募集中です! https://t.co/rzHzkU8RY3 pic.twitter.com/YLptGbTcO3
— おいでよ!南会津。 (@oideena) December 5, 2018
若者定住支援と空き家問題の解決へ
1960年代、奥多摩町は1万3000人ほどの人口を誇り、林業で栄えた。
しかし1990年代にその繁栄に陰りが差し始めると、若者世代が都市部へと流出。現在の奥多摩町に暮らすのは5200人と、60年代の半分ほどにも満たない。
さらに奥多摩町に現在存在する3000戸もの住宅のうち、400戸ほどは空き家。このうちの半分ほどは、住居としての再利用が可能なものだという。
一方、奥多摩町ではこのような現状に危機感を抱き、若者世代の奥多摩町への移住を促進させる支援を実施。
2014年には奥多摩町は「奥多摩町空き家バンク」をも開設している。
この「奥多摩町空き家バンク」とは、空き家や宅地を所有する人が賃貸ならびに売買の物件情報を登録し、奥多摩町のホームページ上で紹介するというものだ。
若者世代の定住と空き家問題という、2つの問題の解消に向け様々な試みを行っている。
奥多摩は小河内、「茶屋とおまわり」から見る景色。なんだかんだで今週一番綺麗なんちゃう?
⇨ 東京に一番近い大自然!奥多摩で紅葉ドライブを楽しむおすすめコースhttps://t.co/YmnwvNs6TS pic.twitter.com/VsflFPK2yz— 谷木 諒 / 奥多摩町で楽しい暮らし。 (@tanikiryo) November 25, 2018
空き家の利用は外国人でもOK!
一方、人が住まなくなってから久しい空き家の状態は必ずしも良好ではない。
そのため新居としての空き家の取得にはためらう人も多く、85%もの人が空き家ではなくきちんと管理された新居の購入を選択しているという。
しかし、そんな中で空き家問題の救世主となる可能性を秘めるのが外国人の存在だ。
奥多摩町ではこれまでに9人の世帯が空き家への転居を決めている。
ところがその中には中国、さらにはなんとニューヨークからの家族も含まれているという。
今後空き家の新住人が外国人、などということも珍しくなくなるのかもしれない。
全国的に多くの空き家が放置されている日本の現状。地方移住などという言葉もたびたび取り上げられる昨今であるが、田舎暮らしを夢見る方は空き家を無料で取得するということも選択肢として考えてみてはいかがだろうか。(了)
出典:CNN:Japan has so many vacant homes it’s giving them away(12/5)