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顔認識システムで犯人捜索、特定された8割が無実の人だったという調査結果

顔認識システムで犯人捜索、特定された8割が無実の人だったという調査結果
flickr/John Ellrod

ロンドン警視庁が犯人捜索のために試験的に導入していた顔認識システム。その誤認率が、非常に高いことが最近の調査でわかった。

 

顔認識システムが容疑者としてピックアップした人物のうち、5人中4人が全くの別人だった。

 

2016年から導入された顔認識による捜査

 

ロンドン警視庁は2016年8月から、ライブ顔認識システムを用いた犯人(容疑者)捜索を試験的に導入している。

 

ライブ顔認識システムは、カメラに写った多くの人の顔の中から、コンピュータがその場で(ライブで)、容疑者の顔写真と同じ顔の人物を探し出すというもの。

 

ノッティングヒルで開催されたカーニバルや、レスタースクウェア、ウェストフォード・ストラットフォード、ホワイトホールといった繁華街で、これまで顔認証システムを用いた捜索活動は10回行われている。

 

誤認率81%

 

英国エセックス大学の研究者が、このうちの6回の捜索活動について調べたところ、コンピュータがピックアップした42名のうち確かに容疑者であったのは8名だったとわかった。つまり、81%は誤認だったということになる。

 

ただし、42名中4名はカメラに写った後、人混みに紛れてしまい、警察は身元を確認できていない。もしこの4名の中に容疑者がいたとすれば、誤認率はもう少し低くなるが、それでも70%を超える。

 

顔認識システムを使った捜索は人権侵害か

 

調査を行った研究者の一人であるDaragh Murray氏は、顔認識システムを使った捜索活動が人権侵害となる危険性を指摘し、次のように言っている。

 

(顔認識システムのような)問題のあるテクノロジーは、民主的社会の中でどうしても必要な場合にのみ利用されるべきである、と国際人権法は規定しています。けれど、これ(ロンドン警視庁の捜索)は、その人権法の規定に完全に適合しているようには見えません。

 

顔認識システムの使用が人権侵害である、と誰かが裁判所に訴えた場合、ロンドン警視庁側に反論する法的根拠はないそうだ。(了)

 

 

出典元:Mail Online:Facial recognition technology used by the Met Police is wrong in four out of five cases and could breach human rights laws, a new report warns(7/4)

出典元:sky news:81% of ‘suspects’ flagged by Met’s police facial recognition technology innocent, independent report says(7/4)

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