マラソンで記録を打ち立てた元医師、近道をしていたと入賞取り消しになり、自殺
マラソン大会に出場し、年齢別の世界記録を打ち立てた70才の元医師が、後に不正行為を指摘されて入賞取り消しとなり、自殺した。
LA マラソンで世界新記録
今年3月24日に開催されたロサンゼルスマラソンで、70才になる元医師のFrank Mezaさんは、年齢別70〜74才クラスで1位となった。タイムは、年齢別世界記録を1分上回る2時間53分10秒。2位走者のタイムはこれより1時間以上遅い4時間10分7秒だった。
だがこの後、Mezaさんがレース途中でコースを外れ、近道を通ってゴールしたという疑いが濃厚になり、ロサンゼルスマラソンのオフィシャルはMezaさんを失格に。
失格が正式に発表されてから4日後の7月4日、ロサンゼルス市サイプレスパークにある川の浅瀬で、Mezaさんが死んでいるのが見つかった。ロサンゼルス警察の検死官によれば、自殺であるとのこと。
「マラソン捜査官」が告発
Mezaさんの不正を告発したのは、マラソン競技での不正行為を専門に調査しているDerek Murphyさんという人。
マラソン捜査官(marathon investigator)と呼ばれる彼は、撮影されたビデオを検証し、Mezaさんが近道をして大幅にタイムを短縮したと主張した。彼のブログ「Marathon Investigation」には、証拠となるビデオキャプチャ画像が掲載されている。
本人は不正を否定
Mezaさんは死ぬ前に、メディアを通して「コースを外れたのはトイレにいくためだった」と言い、コースを離れた同じ場所からレースに戻ったと主張している。(これならルール違反にならない)
また、娘のLorena Mezaさんは「多くの人が不正があったと信じたので、父は精神的に大きな打撃を受けていた」と話している。
ロサンゼルスマラソンを運営するConqur Endurance Groupは、6月28日にMezaさんの失格を公式発表し、次の文章をサイトに掲載した。
オフィシャルのビデオ映像と、コースに隣接した商業施設の防犯カメラに映った映像を詳細に調査した結果、2019年ロサンゼルスマラソンに於いて、Frank Meza医師が、離脱地点以外の場所からコースに戻るなどいくつもの規則違反を犯していたことを確認した。
また、5km区間ごとのMeza医師のタイムを見ると、少なくとも1つの区間で、5,000m走70〜74才クラスの世界記録を凌ぐタイムとなっている。
マラソンの中でこのようなタイムが出ることは、あり得ないと言っていい。