イーロン・マスク氏といえば、テスラやスペースXといった新進気鋭のベンチャー企業の設立者として知られる一方、一見すると奇想天外なアイデアで人々の度肝を抜いてきた。

 

そんな彼がまたも驚きの発言を行い、注目を集めている。

 

なんと年内にも人の脳内に“チップ”を埋め込む可能性があるというのだ。

 

チップを人の脳に埋め込む時期は“1年以内”が目標

 

この衝撃的な発言が飛び出したのは、マスク氏が米国のコメディアン、ジョー・ローガン氏のポッドキャストに出演した際のこと。

 

そこでマスク氏が伝えたところによると、氏が設立したベンチャー企業の一つ「Neuralink」においては“1年以内”にも人の脳にチップを埋め込む用意が出来る可能性があるという。

 

Neuralinkは2016年に設立された企業で、人の脳に直接働きかける埋め込み型のチップの開発を行ってきた。

 

マスク氏はこのNeuralinkによるチップ開発の当初目的について、脳損傷や心的外傷の治療を行う手段として利用することと説明している。

 

さらに氏の主張によると、チップは脳の特定の領域と相互作用させるため頭蓋骨に直接埋め込み、それによって視力や聴力、四肢の動きを回復させることや、脳に影響を与える病気に対処する潜在性を秘めるという。

 

一方、今回のジョー・ローガン氏とのポッドキャストにおいてマスク氏は、このチップについて「やらなければならないことは、まだ沢山あるんだ」と言及。

 

人における試験は行っていない一方で「そんなに長くはかからないと思う」とし、チップを実際に人の脳に埋め込む時期として“1年以内”を目指しているとした。

 

さらに「原理的には、脳の異常の全てを直すことが出来るんだ」とコメントした。

 

 

過去にもチップ埋め込みについて言及、AIとの“共生”も

 

しかし1年以内に人の脳内にチップを埋め込むなどということが、本当に可能なのだろうか。

 

実はマスク氏がこれについて言及するのは今回が初めてのことではない。

 

昨年7月にも、マスク氏は翌年末までに人の脳内に実際にチップを埋め込みたいという考えを示していた。

 

さらに25年以内には、人間とAIの“共生”を可能とさせる機器の開発も可能であるとしている。

 

これについてもマスク氏はポッドキャスト内で言及。

 

「既にコンピューターによって拡張された自分自身を持ち、誰かが死んだ際にはオンラインによって拡張されたオンラインの亡霊のようなものが存在する」というマスク氏。

 

AIとの“共生”は「身体の代わりに、クラウド上により多くの自分自身がいることになるだけだ」などとした。

 

 

ちなみにジョー・ローガン氏のポッドキャストにマスク氏が登場するのは、今回で2回目のこと。

 

その1回目となる2018年9月のポットキャストにおいては、マスク氏がローガン氏に勧められるまま大麻を吸引。

 

その前月に精神的に不安定な様子を見せていたこともあって、テスラの株価下落を誘発させてしまうという大失態を犯していた。

 

 

それに続く今回のポッドキャストにおいても衝撃的な発言で彼らしさを見せつけたマスク氏。

 

Neuralinkが果たして1年以内に人の脳内にチップを埋め込むことが出来るのかということと共に、今後もマスク氏の動向を追っていきたいところだ。（了）

 

出典：Business Insider：Elon Musk says there’s a chance his AI-brain-chip company will be putting implants in humans within a year（5/7）

出典：Daily Mail：Elon Musk says his Neuralink company will do human brain implants ‘within a year’ to help cure injuries – and the device could eventually enable symbiosis with AI（5/7）

出典：Futurism：Elon Musk: Neuralink Will Do Human Brain Implant in “Less Than a Year”（5/7）

出典：Switch News：テスラ、幹部退任とマスク氏の大麻吸引で株価下落の憂き目に（2018/9/10）