中国の教育機関が「量子波動速読法」を子供に指導、動画が話題に
中国・江蘇省塩城市にある「北京新志通全脳開発」という教育機関が、5分間で10万語を読めるという触れ込みの速読法「量子波動速読」を子供に教え始め、物議を醸している。
パラパラと本をめくるだけ?
「北京新志通全脳開発」は公立学校ではなく、私設の教育機関。そこで実施されている量子波動速読のコースは、10才から16才の子供を対象としたもので、期間は3ヵ月間。トレーニングの合計時間は72時間になるそうだ。
コースの一環として行われる速読競技会の様子を映した動画が、中国のソーシャルメディアWeiboに投稿され、話題になっている。それと同じものがYouTubeにも投稿されている。
動画を見ると、ただパラパラと本のページをめくっているだけにしか見えないが、これが量子波動速読法の特徴らしい。中国の現地メディアが報じたところによると、「何百ものページを非常に速くめくるうちに、読者の頭の中に映像が浮かびあがり、それが理解を助ける」とコースのパンフレットに書かれているそうだ。
また、中国メディアの取材を受けた北京新志通全脳開発の広報担当者は、こんなことを言っている。
量子波動速読は、子供の中にある「宇宙と共鳴する能力」を開発するのです。
その子供の脳に十分な「力」があれば、本の中に書かれている場面が、まるで映画を見るように頭に浮かんでくるそう。
日本の「波動速読」と同じか
この量子波動速読は、日本の教育家・飛谷ユミ子氏が開発した「波動速読」と同じである、といくつかの海外メディアは指摘する。
飛谷氏はYouTubeにアップされたプロモーションビデオの中で、こう言っている。
(波動速読の)方法としましては、本をパラパラします。そうしますと、紙面上にイメージが見えてきて、本の内容を理解することができるわけです。
もう1つの素晴らしいことは、多言語——フランス語、ドイツ語、英語といったような本が、母国語に変換されます。その母国語とイメージが繋がり、本を瞬間的に理解することができるわけです。
中国の教育専門家や科学者たちは、科学的根拠のない量子波動速読は詐欺に近いもの、と言っているらしいが、コースが成り立っているところを見ると、中国の教育熱は相変わらずのようだ。(了)
出典元:Odditycentral:“Quantum Reading” Allegedly Helps Students Memorize 100,000 Words in Five Minutes(10/21)
出典元:that’s:Can Chinese Students Really Read 100,000 Words in 5 Minutes?(10/21)