英の少女が買ったクリスマスカードに、中国の受刑者から助けを求めるメッセージが書かれていた!
ある少女が、イギリスのスーパーで購入したチャリティ用のクリスマスカードに、中国の刑務所にいる受刑者から助けを求めるメッセージが書かれているのを発見した。
中国にいる外国人の受刑者が助けを求める
その少女とは、ロンドンで暮らすFlorence Widdicombeちゃん(6)だ。
クリスマスカードはイギリスの大手スーパー「Tesco」で販売されていたもので、約1週間前に彼女が袋を開けて、メッセージを書き始めたという。
しかし6枚目か8枚目のカードを使おうとした時、すでにそこには誰かによってメッセージが書かれ、次のように記されていた。
「私たちは上海青浦刑務所にいる外国人の受刑者です。私たちは自分の意志に反して、強制的に働かされています。どうか私たちを助けてください。そして人権団体に知らせてください。Peter Humphrey氏とコンタクトを取るために、このリンクを使ってください」
そしてメッセージには、イギリス人の元ジャーナリストだったHumphrey氏と共に、フィナンシャル・タイムズのインタビュー記事のURLが書かれていたという。
Florenceちゃんの父親は当初、誰かのイタズラかと思ったが、その後深刻な問題だと考え直し、メッセージの要望通りに、Peter Humphrey氏に連絡をとる責任を感じたそうだ。
A cry for help from a Shanghai prison in a charity Christmas card has turned an embarrassing spotlight on Tesco’s relationship with its Chinese suppliers and their use of forced prison labour https://t.co/1L444fFfX3
— The Sunday Times (@thesundaytimes) December 22, 2019
でたらめな罪状で投獄されたHumphrey氏
Humphrey氏と、アメリカ人の妻、Yu Yingzengさんは2014年に中国当局から、市民の個人記録を違法に取得し、情報を医薬品メーカーの「GlaxoSmithKline」を含む企業に売却したと指摘され、裁判も受けられず、でたらめな罪状で投獄されてしまったという。
しかし2015年6月、刑期が短縮されて釈放され、中国から退去処分を言い渡されたそうだ。
Humphrey氏はTHE TIMESの取材に対し、このメッセージを書いた人物や国籍などは特定できないと主張。しかし刑務所から釈放される前に自分に会った人物であり、間違いなく上海青浦刑務所にいる人物であると述べている。
また彼は、同じ刑務所から釈放された元受刑者にも会い、彼らが強制的に組立やパッケージングの仕事をさせられていたことも確認しているという。
スーパーは工場を停止、調査を実施
一方で、このクリスマスカードを扱っていた大手スーパーの「Tesco」は、刑務所での強制労働の利用をサプライチェーンに許しておらず、このカードを生産している中国浙江省の工場を停止し、現在調査を進めているそうだ。
またこのサプライヤーに対しては先月も監査が行われ、問題のある証拠は見つかっていないが、もしルールに違反したことが明らかになれば、業者を直ちに、または永久に供給元のリストから外すとしている。
このクリスマスカードは中国の浙江省にある雲光印刷工場で作られているが、そこは上海にある青浦刑務所から100kmしか離れていないという。(了)
※下のBBCの記事では、さらに詳しく伝えられている。
出典元:ABC Net:Tesco suspends Chinese supplier after message from Shanghai prisoner found inside Christmas card(12/23)
出典元:BBC:クリスマスカードに「助けて」 英スーパー、中国での生産を停止(12/23)