「アジア人の店は利用するな!」米で新型ウイルスの影響からデマのチラシが配られる
新型コロナウイルスの広がりを受け、アメリカでアジア系の人が経営するレストランを利用しないよう求める、デマのチラシがばらまかれたとして問題となっている。
不安やデマが偏見を助長させている
そのチラシが見つかったのは、カリフォルニア州のロサンゼルス。チラシには世界保健機関(WHO)のニセのサインが書かれており、街角に貼られていたという。
そして新型コロナウイルスのために、住民に対してチャイニーズレストランの「パンダエクスプレス」など、アジア系アメリカ人が経営する店の利用を避けるよう書かれていたそうだ。
ロサンゼルス当局は記者会見で、ウイルスに関連した不安やデマが、アジア系の人々に対する偏見を助長させているとした上で、次のように述べている。
「多くの人が、アジア人や中国からの人間だというだけの理由で、その人物がウイルスの運び屋である可能性があると、すぐに思い込むのかもしれません」
アジア系の学生が殴られる
もっともアジア人に対する差別はこれだけではない。
先週もロサンゼルスでは、アジア系アメリカ人の学生がウイルスを持っているのではないかと責められ、激しく殴られた後、病院へ搬送されたという。
病院ではMRIの検査を受け、幸いにも脳震とうやその他の異常は確認されなかったそうだ。
またアラバマ州でも、すでに1万4000人がウイルスのために、学校を休校にするよう求める請願書に署名している。
さらにカリフォルニア大学バークレー校ヘルスセンターのインスタグラムからは、「恐怖や不安をコントロールしよう」という投稿が消され、代わりにウイルスの感染爆発のさなかでは、外国人恐怖症はノーマルな反応だとみなす投稿が行われたという。(現在は批判を受け削除されている)
ロサンゼルス郡ではまだ新型ウイルスの感染者が1名(人口は約1010万人)しかいないが、当局は今後コミュニティの中でウイルスが広がることを考えれば、偏見によるアジア人に対する攻撃はさらに悪化するだろうと見ている。(了)
出典元:BBC:Coronavirus: Fake flyers in Los Angeles target Panda Express(2/14)
出典元:NBC:UC Berkeley health account calls xenophobia a ‘common reaction’ to coronavirus(1/31)