表現の自由の侵害?英首相を罵るTシャツを着た女性が警官に呼び止められ物議に
自分の国のトップに対して、どの国民も不満をある程度持っているが、イギリスではボリス・ジョンソン首相を罵るTシャツを着た女性が、警官に呼び止められ、物議を醸している。
「F○○k Boris」のTシャツ
その女性とは、俳優でディレクターのJessie-Lu Flynnさんだ。
彼女は6月3日、「F○○k Boris」と書かれたTシャツを来て、ロンドンにあるトラファルガー広場で行われた「Black Lives Matter」のデモに参加したという。
その後、広場を後にし、Tシャツ姿のままRegent通りに入ったところ、突然2人の警官に呼び止められてしまう。
その警察官はFlynnさんに対し、人々を不快にさせ驚かせ、または嫌がらせの可能性のあるロゴのTシャツを身につけていることは、「公共秩序法」に違反していると告げてきたそうだ。
「全体主義のように感じた」
これに対しFlynnさんは、「なぜこのTシャツがハラスメントを引き起こすの?」と反発。誰かが傷つけられ、誰かを怒らせるものか、議論になったという。
しかし結局、Flynnさんは警察の指示に従い、上着のジッパーを上げ、Tシャツを隠したそうだ。
ただその後、Flynnさんは「全体主義体制に入ったように感じた」と当時の心境を振り返りながら、次のように語っている。
「私の心臓は本当に早くなっていました。私は実際に、自分が着ているもので逮捕されるかもしれないと考えていました。明らかにTシャツは、少し議論のあるものです。ボリスを支持する人もいたでしょう。ただ私が本当に法律に違反しているのかは、わかりません。それは警官それぞれの判断次第になっています」
公共秩序法とは、公共の場又は公共集会において,秩序紊乱を引き起こす意図を伴う,又は秩序紊乱を生じさせる可能性の高い、脅迫的な、口汚い又は侮辱的な言葉又は行為を用いた者を有罪とするというもの。
ただしこの場合、誰かが警察官に対し不平を訴える必要があるが、今回はそれがなく、ある法律の専門家も、このケースは警察官が間違っていると主張。警官が、人々の持つ表現の自由を実践する権利を犯罪だと信じていると述べている。
その一方で、これは表現の自由のグレーゾーンにあたり、難しい問題だと主張する専門家もいるようだ。(了)
出典元:METRO:Policeman stops woman in street for wearing ‘f**k Boris’ T-shirt(6/6)