オレゴン州でトーマス・ジェファーソン元大統領の像が引き倒される【動画】
先日、第3代アメリカ合衆国大統領であるトーマス・ジェファーソンの像が引き倒され、その様子がネットで公開された。
高校に置かれていた大統領の像
その像が置かれていたのは、オレゴン州ポートランドにある「ジェファーソン高校」だという。
6月14日、この学校に「Black Lives Matter」の支持者1000人以上が集結。スピーチを聞いた後、市内を行進したそうだ。
その後、夜になり、支持者が再び学校に集合。2つのロープをジェファーソン像の首にかけ、それを引っ張り手前に倒した。像の台座には、「奴隷のオーナー」と書かれていたとか。
Tough time for slave owners 🤷♂️ pic.twitter.com/m0lUWuYqVc
— PDX Resistance ✊ (@Pdx_resistance) June 15, 2020
アメリカ独立宣言の起草者の1人
ジェファーソン元大統領は「アメリカ独立宣言」の起草者の1人で、共和制や政教分離、信教の自由を押し進め、その価値観はアメリカという国の基本原理にまでなっている。
また彼自身は確かに黒人奴隷を所有していたが、「奴隷制は自然法に反する制度として廃止すべきだ」と訴え、同時に個人の自由や宗教的な寛容をも訴えていたという。
ただ著書において「黒人は白人に比べて知能、精神、肉体で劣る」といった、人種差別的な言葉もいくつか残してきたそうだ。
今回、像を倒す場面を目撃していた人の中には、歴史に反する野蛮な行為だと非難する人もおり、オレゴン州の知事にも何らかの行動を取るよう求めたとか。
ただポートランドでは6月13日にも、オレゴン州に定住した開拓者の2つの像が引き倒されたという。動機は明らかになっていないものの、地元メディアなどは「白人の征服」を称える対象として標的にされたと伝えている。(了)