【新型コロナ】陰性後も長期間症状が続く患者が多く存在、米メディアが注目
新型コロナウイルスに感染し、その後陰性になっても、症状がなかなか改善しない患者の症例がアメリカのメディアで紹介されている。
4月に陰性となるも症状が続く
その患者とは、ブロードウェイのミュージカル『アナと雪の女王』にも出演していた、俳優兼歌手のAdam Perryさん(39)だ。
彼は今年の3月に新型コロナの検査を受け、陽性と診断され、重度の倦怠感や咳、呼吸困難、胸の圧迫などに苦しめられたという。
そして4月に検査を受けた時に、陰性となったが、3カ月たった今でも新型コロナの主な症状が残り続けているそうだ。
このような例は「ロング・ハウラー(症状を長く抱えている人)」と呼ばれており、PerryさんはABC Newsのインタビューでも「今日はまだ調子がいい」としながらも「まだ胸のあたりが締め付けられるように感じます」と答えている。
LATER at 12:05 am ET/11:05 CT… otherwise healthy COVID19 patients stuck with symptoms that sometimes last for months. @Nightline co-anchor @JujuChangABC on why this new mystery is stumping doctors. pic.twitter.com/caPSHbChAC
— Nightline (@Nightline) June 25, 2020
いまだに呼吸が苦しく、咳が出る
Perryさんは当初、感染した時の症状について次のように述べている。
「私は咳をし続けていました。胸も圧迫され(きつく締まる)るように感じていました。つまり締め付けられていたのです。呼吸にも困難を感じていました。ただ私はそれをアレルギーのせいにしていたのです。その後、極度の倦怠感に襲われたのです」
彼によれば、新型コロナに感染してから14日間で非常に恐ろしい症状に見舞われ、その後の14日間では、呼吸ができるようになり、咳が出るだけに症状は収まったが、それでもまだ呼吸や咳の問題を抱えているという。
「今起こっているのは、とても胸が締め付けられている症状です。例えば物理的に息を吸ったり吐いたりしようと思った際にも、余分な筋肉を使わねばなりません。本当に気分が悪く、心配ですし、恐ろしいです」
また彼はこの長引く症状は、ウイルスからの後遺症のようなもので、ウイルスに罹るよりもさらに悪いことだと述べている。
症状が続く患者を多く見てきた
医師のDarien Sutton氏によれば、彼はこれまでに陽性と診断されてから9週間後も新型コロナの症状が現れている患者を多く見てきたという。
ただし、まだこのウイルスについては分かっていないことも多く、なぜ症状が長引くのか原因は不明だとしている。
その上で、Perryさんのような場合も、免疫システムが炎症反応を引き起こし続けているのではないか、とし次のように述べている。
「パンデミックの最中、ウイルス性の肺炎にかかった人を多く見てきました。このウイルス性肺炎は、肺に入ってくる多くの免疫細胞に起因し、それらが呼吸困難を引き起こすのです。(略)私たちはこれら(体の痛みや息切れ)が、恐らく慢性的な炎症反応に結びついていると考えています」
新型コロナウイルスでは免疫系が暴走して、健康な肺の組織も含め、あらゆるものを破壊してしまうことがあるという。またこのような患者の例は、NBC系列のニュースでも報じられている。(了)
出典元:ABC News:Broadway actor, COVID-19 survivor Adam Perry talks about lingering symptoms 3 months later(6/25)
参考:kxan:Austin woman in isolation for 105 days after testing positive for COVID-19 earlier this year(6/25)