中国政府が宗教施設を改装、イスラム教のモスクからドームが消えた
中国政府の命令により、イスラム教のモスクからドームや装飾などが取り除かれたことが、報じられている。
文化的抹殺の一環
イギリスのメディア「The Telegraph」によれば、装飾などが外されたのは、寧夏回族自治区の主要都市、銀川市にある南関清真寺(モスク)だという。
このモスクは以前、緑色のドームをし、黄金色の塔で飾られていたのだが、それらは改装によって全て外され、宗教色のない外観に作り変えられたそうだ。
この動きはイスラム教への影響を抑えるための、中国政府による文化的抹殺の一環だと考えられている。下は以前のモスクの姿。
Nanguan Mosque, the largest mosque in Ningxia Province, is known for its classic Islamic architecture #SilkRoad pic.twitter.com/mkRdFB6jLE
— Visit China Now (@VisitChinaNow) July 31, 2014
隣の省にあるモスクも同じ状態に
この写真をツイッターに投稿したのは、中国におけるイギリス大使館の次席であるChristina Scottさんだ。
彼はツイッターにおいて「改装後、今見られるのはこれだけです。ドームや尖塔は全て消えてしまった。観光客も中に入ることが許されていない。とても気が滅入ります」と述べている。
また隣の甘粛省で、「リトルメッカ」として知られる臨夏市にあるモスクなども、同じように装飾が外されてしまったという。
TripAdvisor suggested the Nanguan Mosque in #Yinchuan well worth a visit. Only this is what it looks like now, after ‘renovations’. Domes, minarets, all gone. No visitors allowed either, of course. So depressing. pic.twitter.com/WSXaAFclHX
— Christina Scott (@CScottFCDO) October 18, 2020
Nanguan mosque, #Yinchuan. Stripped of any art that indicates its purpose. Neighbouring restaurants and shops closed and empty – perhaps also being ‘renovated’? pic.twitter.com/xiwTwBSDZo
— Christina Scott (@CScottFCDO) October 18, 2020
習近平時代に入ってから積極的
そもそも中国共産党は無神論の立場をとっているが、5つの宗教、カトリック、プロテスタント、仏教、道教、イスラム教などは認めてきたと言われている。
しかし、習近平氏が党総書記になってから宗教色をなくそうとする動きが強まり、中国政府はここ数年、全ての宗教機関に対し広範囲な取り締まりを行っているという。
実際、教会やモスクなども取り壊され、チベットで子供たちに仏教の勉強をさせることも禁止し、イスラム教徒のウイグル人、100万人以上を再教育施設と称する「強制収容所」へ送り込んでいるそうだ。
また昨年末、中国政府は検閲官に、古典的な宗教書のすべての翻訳版を確認・編集して、それらのメッセージが社会主義の原則を反映していることを確認するように命じている。(了)
出典元:MailOnline:China removes Islamic domes and decorations from mosques as ruling Communist Party continues clampdown on country’s religious minority(11/1)
出典元:METRO:China destroys domes of famous mosques in bid to suppress Islam (11/2)