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COP26 気候変動サミットで、皮肉たっぷりの「化石賞」をイギリス、オーストラリア、日本が受賞

COP26 気候変動サミットで、皮肉たっぷりの「化石賞」をイギリス、オーストラリア、日本が受賞
YouTube/ Climate Action Network International

現在開催中のCOP26(第26回国連気候変動枠組み条約締約国会議)で、最初の「化石賞」がイギリスとオーストラリアに、2日目には日本とノルウェーにも授与された。

 

「化石賞」は、世界最大の気候変動NGOネットワーク組織である「Climate Action Network(CAN)」が、気候変動に関して「最小限の達成をするために最大限の努力をした」国に贈っている不名誉な賞だ。COPの会期中に連日発表されていくので、今後、受賞国はさらに増える。

 

イギリスは、COP開催を強行したという理由で

 

「化石賞」第1日目の発表で、イギリスが1位となった。これを決めたCANによれば、今回のCOPを「最も包括的なものにする」ことに失敗したのが理由だという。(COPは他の気候・環境サミットと異なり、多くの国が参加するため、グローバルかつ包括的だと言われている)

 

今年は、気候変動の影響を強く受ける国々が新型コロナウイルスのせいでCOPに出席できそうにないため、CANはイギリスに、開催を延期するよう促していた。

 

「しかしイギリスの首相は、世界的なコミュニティをつくる国々を『これまでで最も包括的なCOP』に歓迎すると言い、COP26は予定通り開くと言い張った」とCANはいう。

 

オーストラリアは、目標が低すぎるという理由で

 

オーストラリアを第2位にした理由について、CANはこう述べる。

 

「オーストラリアは、(約束していた)野心的な貢献を実現することに見事に失敗した。それだけでなく、過去数ヶ月の間に、石炭関連の3つのプロジェクトに許可を出した。2030年の新しい目標は掲げず、排ガス規制や化石燃料削減のための新しい政策を導入することもなく、国際メタン誓約(Global Methane Pledge)にもサインしなかった」

 

国際メタン誓約は、アメリカとEUの主導によりCOP26で発足したもの。メタン排出量を2030年までに2020年比で30%以上削減することを目標にしており、100を超える国・地域が参加表明した。

 

2日目にはノルウェーや日本も選ばれる

 

また2日目にはノルウェー(1位)と日本(2位)、そして再びオーストラリア(3位)が「化石賞」に選ばれてしまった。

 

日本の岸田総理大臣は演説の中で、2030年度の温室効果ガスの排出量を2013年度から46%削減する目標を説明。

 

アジアを中心に途上国の脱炭素化を進めるため、化石火力をゼロエミッション火力に転換するとして、1億ドル(約113億円)規模の事業を展開する考えを示した。

 

またアジア開発銀行などと協力し、アジアなどの脱炭素化支援のための革新的な資金協力の枠組みの立ち上げなどに貢献し、新たに今後5年間で最大100億ドル(約1兆1000億円)の追加支援を行う用意があると述べた。

 

しかしCANは日本を選んだ理由について、岸田総理大臣の演説にふれ「火力発電所の推進について述べた」と主張。

 

さらに「脱炭素の発電としてアンモニアや水素を使うという夢を信じ込んでいる」とした上で、「未熟でコストのかかるそうした技術が、化石燃料の採掘と関連していることを理解しなければならない」と批判したという。

 

日本は2019年のCOP25に続き、2回連続の受賞となってしまった。(了)

 

出典元:UPI:Britain, Australia get first 2 sarcastic ‘fossil’ awards at COP26 climate summit(11/2)

出典元:Climate Action Network International:FOSSIL OF THE DAY AT COP26

出典元:コトバンク:化石賞

出典元:Reuters:米・EU主導のメタン削減計画が発足 100カ国以上が参加(11/3)

出典元:NHK:日本に「化石賞」国際的な環境NGO “温暖化対策に消極的”(11/3)

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