海をクリーンにし自給自足できる施設、斬新なデザインが大賞を受賞
海の汚染を取り除く海上施設のデザインが賞を受賞し、ちょっとした注目を集めている。
廃棄物収集装置を設置
その海上施設の名前は「The 8th continent(8番目の大陸)」。これは5つのパーツからなっており、温室や居住区、生分解性の廃棄物収集装置などが含まれているという。
この施設のデザインを行ったのは、Lenka Petrákováさん。彼女はイギリスのロンドンにある建築事務所「ザハ・ハディド・アーキテクツ」の上級デザイナーとされている。
Petrákováさんは数年前に、オーストリアのウィーンにある大学で修士論文のためにこの施設を考案。昨年、デザインを練り直し、今年「海の建築と革新のための2020年グランプリ賞」を受賞した。
海を綺麗にするだけでなく、健康を回復させる
この施設はフローティング・ステーションとなっており、稼動時には海底に固定されるが、海流に合わせて柔軟に動くこともできるという。
そして廃棄物収集装置により、海に漂っているプラスチック・ゴミなども回収。また海を綺麗にするだけでなく、海水淡水化センターを完備することで、周囲の海の健康状態を最大限に高めることができるそうだ。
さらに発電設備でエネルギーを自ら生み出すことができ、「自立した生命体」」というコンセプトの通り、ここで完全に自給自足できるという。
毎年800トンのプラスチックが海へ
国際自然保護連合(IUCN)によると、毎年少なくとも800万トンのプラスチックが海に流れ込んでおり、その大部分が食べ物などを通して人間の体に入ってしまうという。
それに加えて、プラスチック汚染により、年間10万頭の海洋哺乳類やカメ、100万羽の海鳥が犠牲になっているそうだ。Petrákováさんは次のように述べている。
「私は、どのように海が破壊されているのか、どのくらいの数の海洋生物が絶滅しているのか、どれほどの汚染があるのか、を認識しています。そして人類が存在していない場所でも、人間の活動が影響を与えていると感じられることを実感しています」(了)
出典元:euronews:This ‘floating continent’ could collect and recycle plastic from the ocean in future(11/29)