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プラスチックをむしゃむしゃ食べる、昆虫の幼虫を発見

プラスチックをむしゃむしゃ食べる、昆虫の幼虫を発見
flickr_tohico

オーストラリアでプラスチックを好んで食べる幼虫が見つかり、リサイクルに活用できる可能性が指摘されている。

 

腸内酵素によって消化

 

オーストラリアの科学者は、スーパーワームと呼ばれている「ゾフォバス・モリオ(Zophobas morio)」が、ポリスチレンを食べて生き延びることを発見したという。

 

「ゾフォバス・モリオ」は甲虫の幼虫とされ、科学者は幼虫が腸内酵素によってプラスチックを消化すると考えているそうだ。

 

この研究論文の著者の一人、クリス・リンケ博士は「スーパーワームはミニ・リサイクル・プラントのようなもので、ポリスチレンを口で細かくして、それを腸内細菌に食べさせるのです」とし、このことはリサイクルの進歩にとって重要だと述べている。

 

The University of Queensland

異なる餌を3週間与える

 

この研究を行ったのは、クイーンズランド大学の研究チームだ。彼らは3つのグループのスーパーワームに異なる餌を3週間にわたって与えたという。

 

その結果、ポリスチレンを食べたグループは、体重まで増えたそうだ。しかもその後、研究チームは、スーパーワームの腸内にあるいくつかの酵素が、ポリスチレンとスチレンを分解する能力を持っていることを発見した。

 

ポリスチレンとスチレンは、持ち帰り用の容器や、断熱材、自動車部品などによく使われている。

 

最も効果的な酵素の特定を目指す

 

ただしこの結果を踏まえ、リサイクル工場を兼ねた、巨大なスーパーワームの飼育場建設につながることはないようだ。

 

その代わり研究者は、どの酵素が最も効果的かを特定し、リサイクルのために大規模に再現できるようにしたいと考えている。

 

これまでにも、ある種の甲虫の幼虫がポリスチレンを消費することが研究で示されているという。

 

しかし、オーストラリア国立大学の研究者であるColin Jackson氏は「今回の研究はさらに一歩進んだものです」とし、次のように述べている。

 

「この研究は、スーパーワームの腸内細菌がどのようにしてポリスチレンを食べるのかを、分子レベルで理解することに大きく貢献します。このようなアプローチをリサイクルに応用するためには、これが重要なのです」(了)

 

出典元:BBC:Plastic-munching superworms offer hope for recycling(6/10)

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