世界で初めてブタの心臓を移植された男性、過去に人を刺し、有罪となっていた!
先日、世界で初めてブタの心臓を移植する手術が行われたが、移植された男性が過去に罪を犯していたことが報じされている。
1988年に事件を起こす
今月初旬、アメリカのメリーランド大学医療センターでは、末期の心臓病を患っていた男性に対し、世界で初めて遺伝子操作されたブタの心臓が移植された。
この手術は成功し、移植された男性、デビッド・ベネット(57)さんは現在回復に向かっているという。
しかし米有力紙の「ワシントン・ポスト」や、メリーランド州の地元紙「デイリー・メール」などは、ベネットさんが1988年に男性を7回刺した前科があることを報じている。
被害者は下半身不随で車椅子生活
ワシントン・ポスト紙によれば、ベネットさんは1988年にバーで、エドワード・シュメイカーさんを7回刺した事件で有罪判決を受けたという。
当時23歳のベネットさんは、バーでビリヤードをしていたシュメイカーさんの膝に妻のノーマ・ジーン・ベネットさんが座った後、彼に襲いかかったそうだ。
ベネットさんはシュメイカーさんを後ろから殴り、さらに彼の腹部、胸部、背部などを7回刺したという。
これによりシュメイカーさんは下半身不随になり、19年間車椅子を使うことを余儀なくされたそうだ。
またベネットさんも間もなく起訴され、暴行と武器の隠匿について有罪となり、10年の禁固刑を言い渡されたという。
「ふさわしい人に移植すれば…」
シュメイカーさんはその後、2005年に脳卒中で倒れ、2年後、41歳になる1週間前に亡くなったという。
シュメイカーさんの妹、レスリー・シュメイカー・ダウニーさんは、家族を苦しめた同じ男が、今度は医学のパイオニアとして報じられていることに気づいて凍り付いたという。
またエドワードさんも長い間、彼の家族が対処しなければならなかった惨状とトラウマで苦しんでいたそうだ。
その上で妹のレスリーさんは「私の意見では、この心臓がもっとふさわしい人の手に渡ればよかったと思います」と語っている。
臓器移植を待っている人は10万人以上
臓器移植を待っているアメリカ人は10万6千人以上おり、必要な臓器が得られないために毎日17人が亡くなっているという。
またアメリカの連邦政府には、犯罪歴のある人が移植や実験的な治療を受けることを禁止する法律や規制はないそうだ。
ただし地方レベルでは、どの人を国の移植待機者リストに加えるかは、病院の裁量に任されているという。
今回の件について医療倫理学者たちは、刑事司法制度はすでに暴力的な罪を犯した人に適切な罰を与えており、必要な医療サービスを提供しないことを罰として追加すべきではないと主張している。(了)
出典元:METRO:Historic pig heart transplant recipient was convicted for stabbing a man at a bar in 1988(1/14)