ウクライナの女性がライフルを購入し武装、ロシアの侵攻に備える
ロシアの侵攻が危惧されているウクライナでは、一般市民はどのように備えているのだろうか?ある女性について、英メディア「The Times」などが伝えている。
「Z-15カービン」を購入
その女性とは首都・キエフに住むMariana Zhagloさん(52)だ。彼女の職業はマーケティング・リサーチャーで、3人の子供の母親だという。
しかしロシア侵攻の可能性が高まったことを受け、「Z-15カービン(Zbroyar)」と呼ばれるライフルを購入したそうだ。
彼女は取材に対して次のように語っている。
「母親として、私は子供たちにウクライナの問題を引き継いでほしくはないし、こうした脅威を受け継いでほしくないのです。今この問題に私が対処した方がましです。私は狩りをしたことがありません。このカービンは、兵士たちがどのライフルがいいかと議論しているのを聞いて買ったんです。もしそうなったら、私たちはキエフのために戦うでしょう。ロシアが戦争を始めたのに、キエフを放っておく意味が私には見出せません」
Ukrainian mother, 52, buys a huge sniper rifle to fight Russian invasion https://t.co/bLhurkszhf
— Daily Mail Online (@MailOnline) January 26, 2022
スナイパーの訓練を受ける
Zhagloさんは、このライフルを買っただけではない。彼女は2週間のスナイパー訓練コースに参加したという。
またライフルに取り付ける「バイポッド(銃身を支える2脚)」や「サイレンサー」「テレスコピックサイト(遠くの標的を狙う照準器)」なども購入したそうだ。
さらにZhagloさんは「ヘルメット」や「迷彩服」「防弾チョッキ」「弾薬」「ブーツ」などに約13万円を費やし、数週間アパートに篭城できるように缶詰も買い揃えたとか。
学生や民間人も予備軍に入隊
もっともこのような訓練を受けているのは、彼女だけではない。現在では、戦闘訓練を受けるため、学生や一般の民間人など何千人もが「予備軍(TDF)」に入隊しているという。
TDFのキエフ支部は先週末、首都郊外の雪に覆われた森で訓練を行ったそうだ。
また、ウクライナ全土でも数多くの民間人(その多くは若者)が基本的な戦闘技術を学ぶために、同様の訓練プログラムに申し込んでいる。その多くが若者とされている。
そしてロシアが侵攻してきた場合、25万5千人のウクライナ正規軍が制圧されれば、これらの若者たちがロシア兵との戦いを続ける市民レジスタンスになるという。
侵略の脅威と共存することを学ぶ
Zhagloさんによれば、2014年にロシアがクリミアを併合して以来、多くのウクライナ人が潜在的な侵略の脅威と共存することを学んだという。
ロシアが断続的に国境付近への部隊配備を強化することは珍しいことではない。そして彼女は侵攻があった場合に、首都に留まり、戦うという意志を断固として持ち続けているそうだ。
Zhagloさんは次のように語っている。
「夫も私も、他に生きている親族はいないし、他に行くところもないのです。ここが私たちの家です。そのために戦います」
フランスのエマニュエル・マクロン大統領は25日未明、ドイツのオラフ・ショルツ首相との共同記者会見で、「攻撃があれば報復があり、(ロシアの)代償は非常に高くつくだろう」と述べている。(了)
出典元:The Times:‘This is our home’: the ordinary Ukrainians taking up arms(1/24)