なぜロシアの進撃が減速しているのか?イギリス国防省の情報分析
ウクライナで、ロシア軍の攻勢が弱まっていると伝えられているが、その原因についてイギリスの国防省が情報を分析した。
キエフの北30kmに留まる
イギリス国防省によれば、首都・キエフへのロシア軍の進撃は、兵站の失敗と、やはりウクライナ軍の激しい抵抗によって、減速しているという。
ロシア地上軍の大部分は、キエフの北30km以上先に留まっており、ホストメル飛行場を守るウクライナ軍によって進撃が減速している。
この飛行場は、ロシア軍が紛争初日に占領を目標として掲げていた場所だという。
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— Ministry of Defence 🇬🇧 (@DefenceHQ) February 28, 2022
北部の2つの都市もウクライナが支配
またイギリス国防省は、ウクライナ北部の都市チェルニヒフと北東部の都市ハリコフ周辺では激しい戦闘が続いていると述べている。
しかし両都市は依然としてウクライナの支配下にあると指摘しているそうだ。
さらにロシア軍も初めて、犠牲者が多く出て苦しめられていることを、認識せざるを終えなくなっていると述べている。
ウクライナ軍の最新報告
一方、ウクライナ軍が今朝発表した最新の作戦報告によると、ロシアは軍や民間の飛行場、軍が制御している場所、防空施設、重要インフラを攻撃した後、やはり「攻勢を鈍らせた」という。
ウクライナ軍の砲撃により、ロシア側に多くの被害が出ており、ウクライナの参謀本部は次のように述べている。
「敵は戦意を喪失し、大きな損失を負っている。脱走や不服従のケースが頻繁に見られた。敵はプロパガンダと現実が違うことを認識したのだ」
またウクライナ軍によれば、侵攻開始以来、約5300人のロシア軍兵士が死亡し、ロシア軍の戦車191台、飛行機29機、ヘリコプター29機、装甲戦闘車816台が破壊されたという。
もっとも一方の情報だけでは、現状を正確に把握することは難しいが、少なくとも両国の情報を組み合わせると、やはりロシア軍の攻勢が弱まっているのは確かと言えるのかもしれない。(了)
出典元:The Guardian:Russia-Ukraine war latest news: negotiators to meet for talks; rouble crashes as markets open – live updates(2/28)