米連邦議会襲撃事件で指名手配されたアメリカ人、ベラルーシに亡命
昨年1月に発生した米連邦議会襲撃事件。この事件に関与したとされるアメリカ人の男が、ベラルーシに亡命した。
FBIに指名手配されていた
その男とは、カリフォルニア州出身のエヴァン・ノイマン容疑者(49)だ。
ノイマン容疑者は2021年1月6日に起きた、連邦議会議事堂襲撃事件に参加したとされ、連邦捜査局(FBI)に指名手配されていたという。
しかし3月22日には、ベラルーシに亡命したことを国営テレビ局「BelTA」が報じたそうだ。
ウクライナからベラルーシに移動
ノイマン容疑者は昨年2月に米国から逃亡。その1カ月後に、連邦議会で撮影されたボディカメラの映像に基づき、警察官に対する数々の暴力行為を行った罪で起訴され、12月に逮捕状が発行されたという。
FBIは、襲撃事件当時、彼が手や拳を使って警官を殴っただけでなく、金属製のバリケードを使って暴力を働いたと主張している。
ノイマン容疑者はアメリカから逃げた後、ウクライナの賃貸アパートに4カ月間住み、昨年末にチェルノブイリに近い街、プリピャチにある沼地を歩いてベラルーシに渡ったという。
国営テレビ局「BelTA」の動画では、ノイマン容疑者がベラルーシの移住書類に署名し、警察官と握手している姿が写っていたそうだ。
またベラルーシの警察官が「これであなたは我が国の保護下にあります」と述べると、ノイマン容疑者はロシア語で「ありがとう」と述べ、カメラなどに向かって書類を振って見せたという。
しかしインタビューでは「今日、私は複雑な心境だ」と語ったとか。
ベラルーシは、米政府の事件の対応を批判
ベラルーシのルカシェンコ大統領は、ロシアのプーチン大統領と共に、米連邦議会議事堂襲撃事件でのアメリカ政府の対応を批判。
アメリカが外国の反政府デモの弾圧を頻繁に批判しながら、自国の「議事堂襲撃事件」では関係者を起訴しているとして「二重基準」だと非難しているという。
しかし平和的デモを鎮圧するのと、議会を襲撃した人物を起訴することを、同列に並べることはできないと言えるだろう。(了)
出典元:Washington Post:Capitol riot suspect who fled to Belarus granted asylum, state media says(3/23)