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天安門事件の犠牲者を追悼していた中国の反体制活動家が台湾へ、米などに亡命を希望

天安門事件の犠牲者を追悼していた中国の反体制活動家が台湾へ、米などに亡命を希望
X_Michael L Richard

中国の反体制活動家が台湾へ渡り、亡命するために助けを求めているという。

 

台湾の空港内にいることを告白

 

その反体制活動家とは、Chen Siming(陈思明)さんだ。

 

彼はこれまでも毎年、1989年に北京の天安門広場で起きた民主化デモへの弾圧で、犠牲になった人々を追悼してきたという。

 

しかし今年の7月22日に中国を出国。最近公開した動画において「中国の政治的迫害から逃れるために、(台湾の)桃園国際空港のトランジット・エリアにいる」と語ったそうだ

 

そして今後は、アメリカかカナダに亡命したいと考えており、助けを求めているという。

 

「個人的な尊厳が犯された」

 

Chenさんは、公開した動画において、次のように語っている。

 

「私に向けられた中国警察の(治安を)安定・維持させる方法は、ますます残酷で、狂気を帯びてきている。彼らは法的な手続きを踏まずに私を勝手に拘束し、携帯電話を取り上げ、精神鑑定まで行った。私の個人的な尊厳が犯され、名誉が踏みにじられ、身体が脅かされることを、私はもはや受け入れ続けることはできません」

 

現時点で、Chenさんがどのように中国を脱出し、台湾へたどり着いたのかは、明らかになっていない。

 

ただChenさんによれば、中国の治安当局は毎年、主に天安門事件の追悼式のたびに、彼を拘束してきたという。

 

拘留される期間は、最短で1週間、最長で15日間だったそうだ。

 

今年の5月、中国湖南省の当局は、天安門事件の犠牲者を追悼するためにSNSに投稿したChenさんを拘束。彼はその後、拘置所へ収容されたという。

 

今後の成り行きは不透明

 

中国の人権擁護団体「Chinese Human Rights Defenders」は今回、台湾政府に対しChen さんの亡命を支援するよう求め、次のように述べた。

 

「もしChen 氏が中国に戻されれば、拘束、拷問、その他の不当な扱いを受け、不公正な裁判を受けるという、ほぼ確実なリスクに直面することになります」

 

ただ台湾には正式な難民政策がなく、中国が安全保障上の圧力を強めているため、香港からの移住希望者にも、永住権を与えることができずにいるという。

 

Chenさんはリスクを承知の上で、台湾に来たとし、次のように述べている。

 

「私は違法に台湾に入国しましたが、台湾は民主的で自由な社会であり、国です。たとえここで、刑務所に置かれることがあっても、安全に感じられるでしょう」(了)

 

出典元:The Guardian:Chinese dissident who held Tiananmen Square vigils flees to Taiwan(9/22)

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