米中首脳会談、イラン戦争が台湾問題に影響を与える可能性

アメリカのトランプ大統領は5月13日、中国の北京に到着し、14日と15日に渡って習近平主席と会談する予定となっている。
中国がイランに圧力をかけるよう望む
トランプ大統領は5月12日、中国へ出発する前、イラン問題に関して「習主席の協力は必要ない、紛争は完全に制御下にある」と述べた。
しかしアメリカ国内では、ガソリン価格が高騰し、インフレが加速。イランとの交渉は停滞し、トランプ大統領の支持率は急落している。
そして先週、アメリカのスコット・ベッセント財務長官は中国に対し、イラン戦争への介入を要求。「イランへの攻撃によってホルムズ海峡は閉鎖された。我々は海峡を再開しようとしている。中国には、この国際的な作戦を支援するよう強く求める。中国が外交努力を強め、イランに海峡を開放させることを期待する」と述べた。
つまりトランプ政権は、中国がイランに圧力をかけ、和平交渉を進展させ、ホルムズ海峡を再開させることを強く望んでいる。
イランとの紛争解決に積極的ではない
一方、中国の原油輸入量の約40%がホルムズ海峡を通過するため、習近平国家主席も海峡の封鎖解除を望んでいる。
実際に、原油供給危機による世界的な景気後退が発生すれば、中国の輸出が打撃を受けることを、習主席も認識しているという。
しかし中国はこれまで、イランとの紛争解決に積極的ではなく、多国間主義と外交を重視する姿勢を示し、イラン側に対しても紛争終結を迫る圧力をかけてはいない。
ただイラン側は中国の支援や後ろ盾としての役割を期待しており、中国にもイランに対し、影響力を行使できる手段としての貿易関係がある。
台湾独立に「反対」を求める可能性
今回の米中首脳会談で、アメリカ側がホルムズ海峡再開に向けた取り組みを支援するよう要請したとしても、中国側は無償で協力することはない。
中国にとって最優先事項の1つは、台湾であり、支援を求められた場合、アメリカ側に譲歩を迫る可能性がある。
ロンドン大学シティ・セント・ジョージ校の国際政治学教授、インデルジート・パルマー氏によれば、中国はイランにホルムズ海峡再開を迫る見返りとして、台湾独立を「支持しない」ではなく、「反対」を表明するようトランプ氏に求める可能性があるという。
また昨年の12月、トランプ大統領が台湾への約140億ドル規模の武器供与を承認したが、これについても中国はアメリカに何らかの譲歩を迫ると考えられている。
アメリカ・Bowdoin Collegeの政治学・アジア研究准教授、クリストファー・ヒューリン氏は、次のように述べている。
「中国はトランプ政権が台湾問題に関して潜在的に脆弱、あるいは説得しやすいと見ており、特に、トランプ大統領の机の上に放置されている、台湾への武器売却協定を進めないよう説得しようとしているようだ」
米の弱体化は、中国に有利
確かに中国もホルムズ海峡を再開させることに関心をもっているものの、アメリカがイランとの戦争で弱体化すれば、中国にとっては有利になるとの見方も出ている。
「エコノミスト」誌は先月、表紙でこの状況を的確に表現。習近平国家主席がトランプ大統領を見つめる写真に、ナポレオン・ボナパルトの言葉「敵が過ちを犯している時に、決して邪魔をするな」という引用文を添えていた。(了)
※今回の記事は複数の記事を読み解き、まとめたものになる。
出典元:Aljazeera:Trump-Xi summit: China’s help in Iran may require US concessions(5/13)
出典元:The Guardian:Trump and Xi tête-à-tête: five key issues on the table in China(5/13)
























