なぜトランプ氏はイランの和平案を拒否したのか?アメリカの要求とは?

アメリカのトランプ大統領は5月10日、戦争終結に向けた和平案に対するイランの回答を拒否した。しかしアメリカ側は、どのような要求をしていたのだろうか?
不明瞭な交渉内容
イラン側は5月10日、アメリカ側が提案してきた14項目に及ぶ和平案への回答を、仲介国のパキスタンを通じて、トランプ政権へ送った。
しかしトランプ大統領はSNSで、その回答を「気に入らない。全く受け入れられない」と批判した。
そもそもイランの新たな和平案とはどのようなもので、なぜトランプ大統領はそれを「受け入れられない」と考えているのだろうか?
段階的に交渉することを求める
イランのメディア報道によると、イラン政府はアメリカの提案に対し、イスラエルが空爆と地上侵攻を行っているレバノンを含め、全ての戦線での戦闘終結を求める独自の提案を提示したという。
イラン政府はまず、第1段階として、敵対行為の終結と、ペルシャ湾およびホルムズ海峡における「海上安全保障」の確保に焦点を当てていたそうだ。
そして第2段階において、核開発計画や、中東における代理勢力への支援といった、より広範な問題に関する交渉に進むことを望んでいる。
ただイランの対応の詳細については、報道によって食い違いもみられる。
高濃縮ウランを全て引き渡すよう要求
トランプ政権は、イラン側がまずホルムズ海峡を開放しなければならないと主張し、イランの核開発を「レッドライン」と位置づけている。
そしてトランプ大統領は、イランに残る推定440kgの高濃縮ウラン全てを、アメリカ側へ引き渡すよう要求している。
「ウォール・ストリート・ジャーナル」紙によれば、これに対しイラン側は、「高濃縮ウランの一部を希釈し、残りを第三国に移送することを提案している」という。
またイランは、ウラン濃縮の一時停止に応じる用意はあるが、アメリカが提案する20年間の停止は受け入れられず、停止期間をより短くしたい意向を示し、核施設の解体も拒否したそうだ。
濃縮率3.67%を遵守していた
そもそもオバマ政権時代の核合意「包括的共同行動計画(JCPOA)」は、2015年に複数の国と締結され、イランはウランを3.67%まで濃縮することが認められていた。
これは原子力発電計画の開発には十分な濃度だが、核兵器開発に必要なウランの濃縮率、90%には遠く及ばない。
しかも2018年、イランが合意内容を遵守しているとの査察結果が出ていたにもかかわらず、トランプ大統領はこの核合意から一方的に離脱した。
そして今、トランプ政権は、イランのウラン濃縮率を0%に削減するよう要求している。
イラン外務省のエスマイル・バガイ報道官はメディアに対し、アメリカは依然として「不合理な要求」をしていると主張。イランの回答は「過剰なものではなかった」と語った。
またイラン側が、戦争終結と共に、海上封鎖を解くよう求めていることに関しても、バガイ報道官は「正当な」要求だと主張したという。(了)
出典元:Aljazeera:‘Unacceptable’: What’s Iran’s peace proposal that Trump has rejected?(5/11)
























